しおんの王 5

しおんの王(5) (アフタヌーンKC)

しおんの王(5) (アフタヌーンKC)

  • ココがシビれる棋士がよお……自分で決めた一手を信じないでどうする?」(60頁)

ここでの一手は将棋の一手ではないんですが、神園のおっちゃんの株が上がりますよー、このシーンは。


中学生の頃『ヒカルの碁』にハマった管理人ですが、格闘や殺し合いとは違う世界─盤上での勝負─を題材にした漫画というのはやはり良いものですね。
以前にも書きましたが、ストーリーはトーナメントに入っているため「負けたら最後」の勝負であることも魅力です。
棋戦・トーナメントこそこのジャンルの醍醐味!
また、ヒカ碁では囲碁と青春がメインテーマとなっていたように、しおんの王にも在るもうひとつの大きなテーマ─サスペンス─
こちらのストーリー展開は将棋以上に先が読めず、まさにハラハラの展開。
この辺りが少し、ヒカ碁よりも大人も楽しめる作品という感じですね。
さて、長々と能書きを垂れてしまいましたが、中身の方はと言うと…。


トーナメントの予選最終リーグに残った三人娘…娘?(笑)。
5巻ではこの最終リーグの最終戦、更に本選の序盤へと突入します。
誰が本選に残り誰が敗退してしまったのか、そして本選では驚きの組み合わせが実現しますがこれはネタバレなので控えておきます。
何はともあれ、ヒカ碁では後半期の小畑さんの作画が素晴らしく、そのことが作品を一層充実させていたように本作でも安藤さんの画が光ります。
緊迫のシーンにはそれに相応しい画をバシッと持ってきてくれますから、本当に最高のタッグだなぁとしみじみ思います。
(愉快なシーンでの極端なまでのデフォルメも変わぬ良さを発揮しています。)
物語もトーナメントの展開もさることながら、目的も意図も動機も判然としない悟の不気味に不可解な行動から目が離せません。
「色々な愉しみを提供してくれる名作」と評しても半ば過言ではないのかなぁ、と。


尚、詳細は不明ですがアニメ化が正式に決まったようです。
いやー、いつかされるだろうなぁと(実写だったら嫌だな、とも)思っていましたが、いよいよですか。
願わくば深夜枠に埋もれることなく幅広い支持を得て欲しい。
その方がヒカ碁囲碁ブームを呼んだように、大なり小なり棋界への貢献も果たせるでしょうし。


散々ヒカ碁を引き合いに出しましたが、そもそもヒカ碁がわかんねーよ!という方、ごめんなさい。
あちらも良い作品なので機会があれば是非。