ぼくらの 1

ぼくらの 1 (IKKI COMIX)

ぼくらの 1 (IKKI COMIX)


ローカル局でアニメが放送中の『ぼくらの』を買ってきました。
ただ、アニメを見たことはありません。
じゃあ何故読んでみようと思ったのか…。
動機はずばり石川さんの新曲『アンインストール』。
我が祖、梶浦さんの旦那役(女房役?)として活躍していたボーカリスト石川智晶さんが歌う『ぼくらの』のアニメOP曲がとても良い。
でもって聞く所に因ると、原作既刊6巻までを読んだ上で作詞をしたというじゃないですか。
じゃあ、読んでみよう、とそう思ったわけです。


前置きが長くなりましたが、話を漫画へ戻します。
ストーリーは比較的単純。
夏休みに林間学校で各地から集まった14人の少年少女が、宇宙人らしき人物に「僕が作ったゲームをやってみないか?」と持ちかけられ、ゲームをすることに。
そしてゲームの内容は、夢か真か、襲いくる巨大ロボットから地球を守ること。
全長500mのメカ“ジアース”を操って…。

というもの。
小学生でもなく高校生でもない中学生という微妙な年頃の子供が、“全人類の命運を握る”ことで抱く興奮や恐怖・葛藤などと内面的な闘いを強いられることが恐らくは作品の主題。
そのため、ロボと宇宙人というSF設定を除けば他は極めてリアリスティックです。
道行く車の形状などから若干近未来のようですが、舞台はほぼ現代のまんま。
登場する人物たちも性格はもちろん外見も本当にどこにでも居そうな一般人。
美少年や美少女の集まりではなく、いわゆる萌えキャラもあり得ない世界観。


ちなみに1巻の時点では地球が襲われる原因は元より、そもそも本当にゲームなのかどうかすら判りません。
基本進行としてはゲームのルールやジアースのことなど、設定や条件に関しては徐々に明らかにされる類の作品のようです。
にも関わらず、アニメ化に伴って付けられている帯が「恐らく2巻で明らかになるであろう設定」を(表裏両面で)バッチリネタばらししていることに少し怒りを覚えました。
「アニメが放送されたらこの漫画を買うのはもう全員アニメから入った人だよなー」
なんという傲慢!
管理人はこの事実に対し、遺憾の意を表します。
売れれば良いってだけで作品が大事にされてないなぁって気がして、ちょっと悲しくも…。


尚、鬼頭さんの作風と1巻後半の流れからして、愉快・楽しいってのとは逆を行く作品だと予想されます。
エンタメとはちょっと違うシリアスで重〜い感じの物語はNG!な人にはあまりお薦めできません。