学園創世猫天! 2

学園創世猫天! 2 (チャンピオンREDコミックス)

学園創世猫天! 2 (チャンピオンREDコミックス)

  • ココにグッときた :立ち向かうシンパチ「わ───ッ」(133頁)

ただの猫なのに…なんて勇気


いばらの王』の岩原さんによる昨今のファンタジーでは最早定番とも言える“学園異能”作品。
学園に封印されし妖怪と、封印を守りし生徒会の激闘が描かれています。
(妖怪といってもイメージ的には魔物だとか妖鬼という方が近い)


2巻は半分以上、司*1の独壇場。
そしてもう半分弱がつばめって所です。
そんなわけなので、今回能力が判明するのは日野出司&ライムと秋藤つばめ&サクラの2ペア。
他のペアに関しては能力云々以前に登場がない。
またユミとカンスケに関しても、今回はストーリーの大半を分断された状態で居たためこれといって活躍なし。
丁度1巻ラストの第4・5話、小鳥&武蔵丸の能力お披露目エピソードを更に長尺にしたような巻ですね。


尚、物語の展開は次のとおり。
半ば復活を遂げた火焔、その右腕九十九。
そして、九十九が呼び出しし五聖獣。
学園内の人の体を乗っ取り紛れ込み、静かに復讐と支配の用意を始める彼ら。
そんな折に、相方の猫を連れずに居るところで九十九扮する教頭に出くわすユミ達。
今が好機とばかりに九十九は、五聖獣が一人─螺蜘(らち)─を差し向ける。
司とつばめの活躍の甲斐もあり、辛勝ながらもこれを退ける。
しかし、対策を講じ接敵に備える間もなく次なる聖獣の魔の手が伸ばされる─。



といったわけで、人の姿を取り既に学園内に侵入されていることすら螺蜘の襲撃によって知り得たばかりの生徒会面々。
まだまだ受身で劣勢の状態と言えます。
今後の展開としては、第二第三の攻勢を凌ぎつつ、どのタイミングで生徒会が反攻に出るかが期待されるところ。
基本ハラハラ・ピリピリの緊張、時にコミカルな弛緩。
ストーリー展開も速すぎないテンポの良さがあり、おもしろく読み易い作品だと思います。
1巻を買おうかな、と思ったのなら同時発売された2巻も買ってしまって間違いではないかと。

*1:ちびっこく人当たりが良さそうで、たぬきみたいな猫を相方にしている男子