わたしたちの田村くん 2

  • ココにジンときた :初めて見せた笑顔「──ありがと 田村」(169頁)

あまーーーーーい!あまずっぱ〜〜〜い!


名作小説コミカライズ待望の第2巻。
これでも1巻リリースから半年しか空いていないというから驚きです。
もっとずっと待っていたような気がしてならない…。


これは、平凡な男の子と二人の美少女のおかしくてちょっと切ない恋模様を描いた、彗星のように駆け抜けた季節の物語──。(裏表紙より)
まあ、概ねそんな感じのある種逆『花より男子』状態といえるかも知れない作品。
とはいえ、
「美少女」=萌え
「恋模様」=しょうもないラブコメ
という枠にはまった固定観念は間違いです。
結構泣けて、かなり真面目で、すごく純粋に、若く多感な少年少女の葛藤を描いた良作です。


さて、前置きが長くなりましたが2巻は主に相馬の話。
松澤は小説を既読の方はご存知の通り遠くへ行ってしまうため、一時的に舞台からはフェードアウト。
物語は何故か田村に寄ってくる相馬とそれに困惑する田村を描き、そんな相馬が抱えていた小さくも大きな秘密へと進んでいきます。


とまあ、今回はほぼ相馬一色なわけで俄然天秤は相馬へと揺れて止まないティーンハート(何)。
揺れて揺れていま心が(ry思わずルナシーしてしまいました…。
松澤のことを知れば知るほど、相馬のことを知れば知るほど、読者を巻き込んでどちらかに肩入れしたくなってしまう作りが憎いくらいに効果的。
どっちも応援したいけどどっちかしか残らない、この「どないせーっちゅねーん」なもどかしさは多分少女漫画でも良くあるのだと思いますが、もうね病みつきクラスですよ。
(しかも原作小説が2巻だけの短期決戦のため、この手の恋愛ものにありがちな結論先延ばしのダラダラ感が今後出てくる心配もありません)


そして1巻に続きくどいようですが、原作に忠実ながらも工夫のある漫画作りが作品の価値を一層高めています。
作画に関しても同様で、「そんな顔されたらどうしようもないじゃないか…」ってゆー女性の武器とも言える卑怯なまでの泣き顔・すがる表情・憂いの表情、そして笑顔を巧みに描いてます。
はーやくこいこい3巻や〜。