シュヴァリエ 5

シュヴァリエ(5) (マガジンZKC)

シュヴァリエ(5) (マガジンZKC)


デオンとダランベールが「導きの儀式」を執り行う祭壇に、高位の詩人が刺客として向ってきた前回からの続き。
必然的に対峙して退治することになりますが、展開としては比較的知略戦。
直接的なぶつかり合いによるバトル展開は今回はほとんどないですね。


話の方はこの詩人戦が巻のほぼ全部、最後の1話の半分までを占めており、それ以外のロビン&ポンパドール夫人・ダグラス&伯爵の局面での進展はほとんどなし。
ただ、次の巻では伯爵方面で話が動くぞという前振りはあり。
大抵「怪しい怪しい」と言われる怪しい人物は実は白ってのが半ばセオリーですが、伯爵に関してはもしかしたら黒かも。
前振りだけなので実際のところは判りませんが、「怪しそうで怪しくないけど実は怪しいから!」的な謎めきに興味をひかれますねー。
この人は良いキャラをしてるだけに、長く舞台に留まるのが望ましいなぁ。


また、画の方は大分スッキリしたというべきか、兎に角大分読み易くなってきてます。
独特の雰囲気と濃い画風なのは変わらないので「スッキリした」ってのと矛盾しているようですが、でも実際スッキリしてます。
見開きでのシーンには迫力がありますし、これでもうほとんど作画は完成の域なんじゃないかと思います。


冲方さんのテキストによる「遊び」も面白いですし、マイナーな作品ですけど個性的なイイ味出してる作品です。