S線上のテナ 1

S線上のテナ (1) (まんがタイムKRコミックス)

S線上のテナ (1) (まんがタイムKRコミックス)


岬下部せすなさんの新連載作品。
きらら系の中でもストーリーものを中心に扱う『まんがタイムきららフォワード』で連載中の作品だそうです。


人、動物、そして木々や風など自然界のあらゆるものが有している“命の譜面”
交通事故をきっかけに、この譜面が視えるようになった音楽家─響恭介─
そして、そんな彼の前に突然現れた調律師を名乗るちんちくりん少女─テナ─
恭介の特異な体質に目をつけたテナは恭介に己が手足として従事しろと一方的な宣言をし…。



こんな概要の、コメディとせすなさんの武器でもある「ちょっと良い話」を織り交ぜた物語です。
で、調律師とは何なのか簡単に。
上述の通りこの世のものにはみんな“命の譜面”があります。
この譜面に調律のズレが生じると「〜〜の大量発生」や「髪の伸びる人形」といったような異常現象を招くのだそうです。
これらを各々個性豊かな手段によって(テナの場合はムチでしばきます)元に戻すのが調律師です。


そしてストーリーは、その調律師を束ねる組織から流失した「調和を乱す悪質な音符」回収のために調律師が世界中に派遣された。という始まりになっています。
(故あってか音符の回収は何故か“競争式”となっています。この設定には裏があるらしく、その辺は今後の話ですね。)
でもってその内の一人、日本に来ている調律師がテナであり、その“悪性の音符”が事故の際に宿ってしまったのが恭介というわけです。
尚、高慢かつ不遜極まりないテナ嬢は「活動拠点として丁度良い」とのたまり、恭介の借家を半ば占拠し居候してきます。
恭介、かわいそう…。
いや、ここは羨ましい、というべき?


以下、恒例の人物紹介(四コマではない&人物少ないのであまり必要ない感じ)。

  • テナ−・フォルテシアン:要するにテナ 小学生にしか見えない15歳のチビっ子調律師 やたら偉そう*1 外人さん*2 境遇にコンプレックスがあり極端なまでの上昇志向をもつ
  • 響恭介:苦学生をしながらも2年前に音大(作曲科)を出た音楽家の卵 現在は音楽教室を開きながら生活のためではなく、趣味として作曲をしている 外見に寄らず寛容で他人想いの良い人
  • メゾ&ソプラ:テナと同じく日本で音符回収をしている調律師コンビ(共に女の子) テナとひと悶着あった後・・・アッー
  • アルン:No.1調律師と言われる人(女性) テナ的には目の上のたんこぶ 顔見せだけで主だった出番は2巻以降の様子



ちなみに形式は四コマではなく、通常の漫画と同じフリーのコマ割りによる物語形式。
また、ここが最大の注意点なのですが、いままで四コマはもちろんストーリーものでもA5の装丁で統一していたKRコミックスで初の?B6サイズ出版となっています。
きらら系の新刊を種別問わずまとめて並べている書店では不便ないかと思いますが、そうでない場合いつもの調子でA5サイズの新刊が並ぶ中を探しても見つからないかも。
ただ、必ずA5で値段も860円と高め固定だったものが「サイズを変えて620円で出てきた」この変化は歓迎すべきものだと思います。

*1:他作品でいう所のシャナとかルイズとかあの類ですね

*2:ドイツ語かフランス語を、という科白や音楽という題材からして、派遣元の団体の本部はオーストリアなんじゃないかなぁと。オーストリア人?