シャイナ・ダルク〜黒き月の王と蒼碧の月の姫君〜 2

  • ココにハラハラ :突然の喀血(162〜165頁)

な、何事!?誰か、誰か医者をーーーー!


2巻を読んでまず一番に思うことは、画…うめぇぇぇぇ。
ストーリーのそれを差し置いて真っ先にこの事に感銘を受けました。
平時のノーマル顔とコミカルな時のデフォルメ顔の描き分けはもちろんのこと。
そこからもう一段昇華しての「有事の時の一瞬の表情」が素晴らしいです。
(5話の決闘における勇者が見せる打って変わった勇ましい表情(28頁左下コマ)や魔王がクリスティナに疑問を投げかける見開きのシーン(112〜113頁)などには背筋に走るものが…。)
いやぁ、本当に スゴイ としか言い様がない。


さて、ひとしきり作画を褒めちぎったところで中身の方も。
1巻で魔王の島が団結し一体となりました。
島は更なる安定と絶えない外敵の来訪や外交に備え、準備を始めました。
そんな折、様々な方面に活躍をみせるガレットと比べ、これといったはたらきもできず半ば“お荷物”のクリスティナ。
その事は誰よりも本人が自覚し、気に病む事実でした。
このままではいけないとクリスティナは色々なことに挑戦しては躓き、魔王にも相談をするものの光明は得られず。
そして、そんな憂鬱な日々を過ごすクリスティナに訪れた突然の悲劇*1
シャイナ・ダルクの双月はいま、その片方の輝きを失わんとしている…。

なんて感じでしょうか。
要所要所をコミカルな話で押さえつつも裏ではガッチリとシリアス極まりない話が根を張っている釣り合いの良いストーリーは、健在どころか更に磨きがかかっているよう。


そんなこんなでこの2巻はほぼ全編クリスティナがメインとなります。
また、話は島の中だけに留まらずクリスティナの祖国の情勢にも及び、現王やその体制に批判的なクリスティナの義兄などなど様々な人物の思惑が交錯する模様も描かれています。
尚、この一連の話はまだ目途をつけていませんので、恐らくは3巻もクリスティナ周りの話が中心となりそう。
年内は無理でしょうけど、来年のできるだけ早いうちに3巻が出て欲しいですねー。

*1:但し明るみになったのが突然なのであって、その事自体は必然だったようです。また、1巻当初から伏線だけは度重ねて張られていました。