Pumpkin Scissors 8
- 作者: 岩永亮太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/09/14
- メディア: コミック
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- ココにしんみり :(回想をバックに)彼女は・・・・彼女は・・・・──死んだよ(59頁)
この後、無感情な仕事人間と目されるヴィッターも人の子である事が判ります。
いつだって残された方はもっと辛いですね。
暮らすため、生きるために承服せざるを得なかった支配。
支配者は変われど負の螺旋回廊の構造は変わらず、停戦からはや3年。
再スタートを切ることすら許されなかった人々は、三課の介入によって活路を見出せるのか。
そして、フランシアが命を賭して伝えようとした事とは?彼女の死の真相は?
一大新章カルッセル編、中盤──。
序章かつ導入の体を成していた7巻から引き続いてカルッセル編。
この巻で街がいまに至る歴史の一端を、現在の内情のより奥底を、そしてカラクリを知ることができます。
更に、動きを封じられた三課の居残り組もウルトラCの奇策でもって舞台への乱入権を獲得し…という所で9巻へ。
7巻で抱いた期待感を裏切らない充実の一編ですねー。
しかしこの8巻、ヴィッター&アリスはよく動きよく働きよく活躍するも、オーランドが…。
9巻で美味しいところをほぼ全て根こそぎ持っていきそうな前振りがあるだけに、ギャップをつけたんでしょうか。
まあ、悲しいかな本人の望むと望まざるとに関わらず、元々ぶん回しやぶっ壊しなどの荒事でこそ日の目をみる人物。
全容の把握と事態の解決への足掛かりを探る調査などの前段階では活躍のしようもない。
この巻に関しては、やはりヴィッターに注目するのが一番すね。
この人も7巻での印象から劣らぬ「優良ゲストキャラクター」ぶりを発揮してますから。
ところで、いまさらですけどこのカルッセル編は本当に“重い”です。
9巻が章の終盤と完結を担いますが、はやいとこ解決を見ないことには気分が暗い…。
そもそも、解決を見た所でフランシアが惨殺された事実、街の人が苦しみ続けたこと・受けてきた仕打ちという過去は還らないのがまた何とも苦しい。
岩永さんはなかなかにサディスティックな男ですね〜。
それから恒例の裏表紙の折り返しにある予告?にもある通り、9巻では今回は2コマしか出なかった“二課長”が登場する模様。
ハンクスとコネリーに次いで2課のボスが出れば、一応全課の顔が揃う事に。
カルッセル編の結末もさることながら、その更に先の今後への布石も気になるところです。