夜桜四重奏 3

夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~(3) (シリウスKC)

夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~(3) (シリウスKC)

  • ココにナンダッテー!? :謎の爺「言ったではないか『妖力に反応する』とな」(33頁)

ΩΩΩ<(略) と、驚きつつも心のどこかで「あ、やっぱそうなんだ」と思ったり思わなかったり。


七郷開花まであと1年!
そして不穏な動きをみせる老人と隣町の町長候補たち!
というところでこの3巻へと繋がれたヨザカル。
物語も七郷七郷するのかと思いきや、いきなりそっちの方に突き進むわけではなく、まずは件の隣町の町長選を巡るいざこざ(とそれに乗じる形で何か独自の目的があるらしき老人)の話から。


んで、ですね。
この老人をどう説明すべきか、難しいところでして。
何しろ名前も目的も出所も不明でして…。
つーても、話の流れからして恐らくあの人物だろうというアテはついていますが、それはネタをバラす事になりかねないので言えず。
そんなわけでとりあえず、やたらに大人物らしく3巻の中心に居座っているこのおじいさんを何とか脇にやって他のことに触れてみます。


ストーリー展開は明瞭で、目下のところ目的が不明ではあるものの“ヒメ的には”街の平穏を脅かしてくるこの老人らと対峙する形です。
既に登場してる町民はほぼ総登場の総力戦。
みんなの街を想う気持ちと互いを支えあう姿勢がとても好きですねー。
ただ、好きと良いとはまた別で、物語の構築に関してはまだやや荒削りな観が否めず。
「ありきたり」とバッサリ斬るには忍びない作り込みがあるのですが、如何せん細かい所で“ジャンプさ”*1が目に付きます。
たとえば枷が外れてパワーアップして〜とか、あの武器を手にして劣勢を跳ね返して〜とか。
特に、誰かのピンチに他の誰かが駆けつける・横槍を入れることで窮地を脱するパターンが多い気がします。
基本的にはこれは漫画での常套句みたいなもので、使い易くかつアツく盛り上げるのに便利なものですからあって困るものではありませんが、一杯あれば良いってものでもないから使いすぎ注意だと思うんです。


とはいえ、この辺の細々した小姑が見つけてきたようなダメ出し点のマイナス以上に、やはりキャラ立ちがしっかりしていることのプラス面が大きいです。
魅力的な人物が本当に多いと思います。
また、単なるビジュアル上の理由から巻かれていると思われたヒメのマフラーに秘められた意味があったり、ヒメと恭助の出会いなどなどキャラクターを取り巻き形作る端々のエピソードがステキ。
(あとがきでもこういった回想や何やらを大事に描きたい、というようなことをおっしゃってました)
あとがきでブログ巡回をしても批判的な意見や「もう買わない」宣言が多くて凹む、といった感じの自虐的なおまけ漫画がされていますが、先は気になるし僕はそこまで不満があるわけでもなし、まだまだ買っていくつもり。
まあ、3巻でいわゆる「パワーインフレ」的なことが若干起こってるんで、バトル漫画ではないけど物語の先が気になるのとは別の意味でそこがちょっと気になりつつ、4巻待ち。

*1:週刊少年漫画っぽさ、と言った方が判り易いすかね