死がふたりを分かつまで 6


護に掛けられた1億ドルもの懸賞金を目当てに世界中から集まる殺し屋たち。
それに対し、賞金を掛けたエジーの計画を潰そうと考え護が取った行動は…。



えー、まず一言。
護は空前絶後のバカ野郎ですか?
やることが無茶苦茶すぎます(笑)。
動機も唯の負けず嫌いというか天邪鬼的発想からという浅慮さ。
なんて素敵なアホなんだ。
まさにヒーローらしくないヒーロー。
タイプは全然違いますが、主人公らしくない主人公で定評のあるガンソのヴァンを思い出します。
あの人も相当のバカでしたし。

内容の方は、莫大な賞金をかけられた護が大胆不敵な行動に打って出る話。
詳細は読んでのお楽しみということでネタバレ扱いにしますが、くどいようだけど本当にバカとしか言い様がない。
刀一本で重火器ごち盛りの連中100人強を一人で相手にするとかどんだけー。
そういったわけで、連続してアクションばかりだった4・5巻の次ということもあり戦闘は小休止。
賞金をかけたエジーの動き、賞金に群がってきた連中の動向、そして対する護たちの選択といった具合に6巻は非戦闘の話が中心。
実際に護がまた大立ち回りを繰り広げるのは巻の終盤も終盤から。


また、前回重傷を負い療養を余儀なくされ一線から退いたシエラの代わりがWALLから派遣されてきます。
これがまた随分と個性的な人物ですが、実戦面でどういったサポートを果たすのかはこの巻ではまだ分かりません。
専門は潜入捜査、とのことですが…。
そしてエジーの一件後から欧州に行っていたWALLの連中も今回の懸賞騒ぎを受けてまた東京に戻ってきます。
個人はともかくとして部隊全体はもう少し長いこと舞台から降りるのかと思っていましたが、意外に早い復帰。
いまはまだこれと言って護のサポートのための目立った動きは取っていませんが、7巻ではそういった活躍も期待できそう。


それから前回のファング戦の最中に護から「他人行儀な態度をやめろ」と言われた遥の様子が実際に変わってきている塩梅が大分見て取れます。
具体的には以前より明るくなり感情を豊かに表すようになって、言いたい事もはっきり言うように。
あれがその時限りのやり取りではなく、ちゃんとその後に活かされてるのが良いっすね。
ひとつ気になったのが、遥の学校生活スルーっぷりは相変わらずながらもわずかひとコマですが伏線らしきものが張られたこと。
いよいよ学校の方でも何かが起こるのかも知れません。


ちなみに源田さんも変わらずに奮闘中。
あの人本当にただの警官なのか、どんどん疑問が膨らみますがその辺も7巻で少し突っ込んだことが聞けそう。
なにしろ巻の最後でついに護と源田が直接対面していますから。)ネタバレ
毎度次の巻が楽しみな良い作品です。