仕上げに殺陣あり 1

仕上げに殺陣あり 1 (電撃コミックス)

仕上げに殺陣あり 1 (電撃コミックス)


黒の装丁にシビれるような表紙絵!
これをみて衝動買い。
またいつものようにどんな作品なのか何にも知らずに買ってきました。
で、開いてみて一番、まずガッカリしました。
だってさー表紙と本編で絵の力の入り方違いすぎますよ。
決して下手ではないけれど、少なくとも表紙のような深みと迫力はないです。
うーん、表紙絵とのギャップで第一印象が悪くなると「その後の見方」にもバイアスがかかってしまって良くないのですが…。


ともあれ、物語の方はというと。
時は文政。
金で殺しを請け負う「仕上人」と呼ばれる者たちが居た。
そんな仕上人が一人、榊新三郎はある仕上げの最中に標的を同じくする同業者の横槍を受ける。
しかし、その相手はまだ年端も行かぬ子供であった。
それも・・・・・・少女。
今、ひとりの男とひとりの少女の運命が交錯わり始める──。
(帯裏のあらすじを改変)


時代考証とかはわかりません。
ただ、とりあえず雰囲気は良いです。
話としては「必殺仕事人」に代表される中村主水必殺シリーズのみたいな感じですね。
(現にあとがきで原作者も「必殺」を書いてみたかった、と言っています)
金で殺しはやるものの義理人情を根底にした掟は決して破らず、殺るのは主に悪行をはたらく者。
そして(残念なことに帯がネタバレしちゃっていますが)三郎と少女の関係など、人物周りにもいくらでも深みをもたせられる設定が配置されています。


と、原作の方はなかなか良い具合なのですが、作画の方が少々物足りない。
前述の通り表紙と中のギャップはかなりのもの。
そして肝心のアクション─つまりは殺陣─が全然描けてないのが痛恨の極み。
絵の方はいわゆる綺麗な絵でありませんが、巧さはあると思うんですけどねぇ。
(どことなく、初期のるろ剣な感じがちょこっとあるようなないような)


とりあえず、作品としてはなかなかおもしろいものになっていますから作画の向上に期待しつつ、2巻が出れば買ってみようと思います。