S線上のテナ 2

S線上のテナ (2) (まんがタイムKRコミックス)

S線上のテナ (2) (まんがタイムKRコミックス)


4コマを飛び出し、初のストーリー型作品に望む岬下部せすなさんの意欲作。
2巻では、そういった形式的なことに留まらず、和やかで愉快な話にほんのちょっぴりの感動をのせた物語を送り出してきた既存作品と質の上でも異なる作品となりそうな兆候が見られ始めます。
命の譜面を巡る調律師たちの物語は、どこへ向うのか。


というわけでして、何やら預かり知らぬ所で事態は大きなものへと膨らみを見せ始める第2巻。
かわいい・おもしろい・やさしいを主戦場とした岬下部さんがこれまでと違う土俵でどれだけの話を創れるのか、目が離せません。
が、それは2巻もかなり終盤からのお話。
序盤はテナに忍び寄る妖しい影、キョースケとテナの喧嘩を描き、そして遂に訪日してきた頭脳明晰・容姿端麗のトップクラス調律師─アルン=スフォルツ─登場。
でもって、相も変わらず天然で美少女調律師ホイホイしているキョースケとアルンがマッチング。
そして影の正体と喧嘩の仲直りまでが描かれています。


はい、そうですね。
音符の回収作業、なにひとつとしてまったくやってないですね…。
テナのツンデレっぷりとアルンの意外に愉快な一面をみるコメディ中心の展開です。
まあでも、今後の展開を思えば2巻はそれでもいいんじゃないかと思います。
それよりもあまりにも著名作の既存キャラを焼き増したかのようなキャラクターになってるテナが問題?
なんてゆーか、ぶっちゃけて言えば「これはすごいシャナですね。本当にありがとうございました。」って感じ…。
と、言ってはみたものの、これだけ世にこの手のキャラクターが蔓延しているいま、大雑把に切り分けたらどれも同じような人物像になってしまうのも無理からぬこと。
要は似てようが似てなかろうが可愛ければ何でもいいじゃないか。
と、いうのはムリがあるでしょうか。
そうですよね、似すぎですよね、個性…ないですよね。しょぼーん。
まあ、アルンが良い感じにおもしろ愛らしいので良しということで。