ナツノクモ 8

ナツノクモ 8 (IKKI COMICS)

ナツノクモ 8 (IKKI COMICS)


7巻からやけに発売間隔が空いたと思ったら連載が終了していた本作。
そのためこの8巻が完結巻ということになるのだが、明らかに打ち切られた感のある内容。
そしてどうやら実際打ち切りの形で連載を終えているようで…。


といったわけで、ここまで風呂敷を広げに広げ伏線を張りに張り巡らせてきたにも関わらず志半ば道半ばで終わっており、非常に勿体ない。
現実を生きる上で心の病を抱えた人たちがMMOという架空の空間で集い、“カウンセリング”や擬似家族をロールし互いを励まし支えとなるというかなりつっこんだテーマ性をもった作品だったのですが、最後がこれでは折角のテーマも…。


兎に角終盤へ向うにつれ焦燥的に様々な秘密が明かされ詰め込まれているものの、それでも回収し切れていない伏線・謎が多く残っているため何とも言いようがない、というのが正直な感想です。
そして何より、残念でならないです。


最終巻ということもあり、あらすじに触れるとネタバレのオンパレードになるため今回はあらすじは割愛します。
というより、書けと言われてもあらすじを書けるほど情報の整理ができていないというのが実情だったりします。
与えられる情報量が7巻までと比べ飛躍的に増えており、頭の中がこんがらがります。
なので、実は恥ずかしながら漫画なのに読み終えるまでに1時間以上かかりました。
科白多すぎて、絵を見るよりも文字を読んでた印象しかないです。
密度の濃い1冊をたらふく味わったはずなのに何故か心地よい満足感が得られないというなんとも虚しい最終巻でした。