シゴフミ 第12話「シゴフミ」

    
小説に始まりアニメに終わった『シゴフミ
どちらが原作でもなく、それぞれの物語を描いてきたプロジェクトでしたが、アニメも小説に負けず劣らずのラストを魅せてくれました。
丁寧に作りこまれたとても良い作品だったと思います。


フミカ(ミカ)を消し、父を告訴し自ら現実に立ち向かう事を決意した文歌(フミ)。
だが、周囲から向けられるまなざし、取り巻く環境の重圧に、母の酷薄な態度に耐えられずまた逃げてしまった。
弱いフミが居なくならなければ、彼女の弱さが生んだミカも消えることはなく、再び姿を現すミカ。
そして、弱さを克服できない文歌を責めるのだが、追い詰められた文歌が放った一言が、フミカが内に秘めていた願いを突いた。
彼女もまた、ひとりの人格…人として生きたかったのだという想いを…。


と、こんな展開になった最終回。
先週の11話に直接の描写がなく「文歌が発砲した」と言い切れなかった件のシーンは、フミカが彼女に引き金を引かせたものでした。
だから文歌が自分の意志でフミカを撃ち、ひとつになる事を願ったわけではなかったために、こうしてまたフミカが生きている、と。
そうして、ミカとひとつになることを拒みフミカにひとりの人格として生きるという選択肢を残したフミ。
そして本当は消えてしまうのではなく、そうすることをこそ願っていたミカ。
こうして“ひとりとふたつの人格”は、”ふたり”となる道を選んだわけですが、結局は夏香も言っていた「ひとつになることが本当に幸せなことなのか」への答えは「いいえ」と出された形になります。
俺もそれで良いと思います(*´ー`)
だって出ないとフミカが居なくなっちゃうし。


衝撃の1〜2話から始まり色々な物語を描いた『シゴフミ』でしたが、これもまたとても良い最終回だったと思います。
今期見てきたアニメには最終回がいまいちなものがなく、何だか気分良いです(´∀`)
てゆーか今回はもう、フミカが復活してこれからも配達人として生きていくという風になっただけで大満足。
フミカかわいいよフミカ(*´Д`)


と、そんなこんなの『シゴフミ』でしたが(どんなだ)、こうして振り返ってみると小説は配達人の文伽を主役とした物語ではなく“シゴフミ”とその奇跡をテーマに描かれていたのに対し、アニメは配達人のフミカをメインとした人物中心の作品作りになってますね*1
媒体にあわせてそれぞれが持ち味を発揮した面白いプロジェクトだったと思います。
本当にゴチになりましたヽ(´∀`)ノあざーす

*1:アニメは終盤になるとシゴフミはほとんど関係ない感じになってましたし