ふーすてっぷ

ふーすてっぷ (まんがタイムKRコミックス)

『悪魔様へるぷ☆』『S線上のテナ』でおなじみ岬下部せすなさんの単巻完結作。
路線としては『悪魔様へるぷ☆』の方に近く、同じ短期連載作という意味では『ことゆいジャグリング』と似たような作品。
とイメージしてもらえれば良いかと。
作者のほかの作品を知らない方には簡潔に「ハートフル4コマです」の一言です。


と、いうわけで岬下部さんの最新作。
今回は闇組織による軟禁状態での暗殺技術の習得のみを幼少から続けてきた少女─風（ふう）─が社会復帰するステップを描いた作品。
略してふーすてっぷ。
設定だけ聞くとやけに重い話のように感じられますが、そう難しく捉えず4コマ特有の軽いノリで繰り広げられる『狼少女』の話だと思って問題ないです。


で、主人公の風ですが、人としての生活はしてきているので狼少女のように会話もままならないという事はありませんが、如何せん育ってきた環境が環境なのでどこかズレています。
また、無感動無感情を絵に描いたような律動人間であり、一般常識は皆無。
そんな彼女が引き受け先の児童施設での生活、施設の人との交流、そして同じように施設に来た子の面倒を任されるようになって…という風に話は進みます。
ブラックユーモア（＝毒）なし、棘なし、笑いはありの心温まるストーリー。
この手の話だと岬下部節が遺憾なく発揮されますし、短期連載ながらよくまとまっている良作ですね。