私立彩陵高校超能力部 6

私立彩陵高校超能力部 (6) (IDコミックス REXコミックス)

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未来が視える超能力者を筆頭に何だかきな臭い連中が紛れ込んだ彩陵高校の文化祭。
撃退はしたものの屋上では早速先輩たちが能力勝負を吹っかけられたりと、連中は何かと力を揮いたがるようで…。
そもそも人探しに来ているようだけれど、一体誰にどんなようがあるのだろう。
そして、これまで絶対に能力を隠してると目されてきたオミナエシの本当の能力が今回遂に明らかに!

ということで、前回からやおら物語のスケールが拡大する気配を見せている超能力部最新刊がひと月の発売延期の末にようやく登場。


して、彼らの目的でありますが、「我らを導くリーダー」探しだそうで。
ミコトを筆頭に超能力部の面々がお気楽愉快なせいで忘れがちですが、超能力者は社会的にも煙たがられる存在。
故に能力者をひとところにまとめ一元的に管理育成するための教育機関まである、と。
そして彼らはそこの出身であり、そういった圧制に反発し能力者の自由と権利を勝ち取るために〜という行動原理のもと集まっているそうな。
うーん、やはり話のスケールが大きく且シリアスで深いものになってきました。
こうなってくると「こんなん超能力部じゃないやい!」という思いもひとしお湧いてくるわけですが…。


が、そんなことは作者自身が一番承知の上か、一度は路線転換の道も見えたもののこの作品はどこまでいってもあの軽い調子から外れることはありませんでした。
ほっと一安心、やっぱりこうでないとの第6巻。
紆余曲折あれども終わりよければ全て良し。
お気楽暢気でお調子者のミトコ(たち)の脱力感さそう姿が解決の鍵になったのも心憎い演出。
「額にしわ寄せて難しく考えてる方がバカらしくなってくる」と連中に思わせてしまえる超能力部は本当に魅力的な集団ですね。
ご都合主義とはまた少し違う大団円の形がおもしろい章(?)だったと思います。


そしてこの5〜6巻で強く思ったのは、シオリにキャラクターとしての魅力を感じたら負けだ、という事。
だってこのビジュアルと性格でのキャラ作りはあざとすぎてずるいですよ。
でもって抵抗虚しくやっぱりシオリを好きになってしまう俺。
てゆーか石田さんの作品に出てくる女性陣って誰も彼もが魅力的な登場人物な気がするです。
たとえベタでもキャラ作りが巧いってことでしょうね。