機工魔術士-enchanter- 17
機工魔術士 -enchanter- 17 (ガンガンWINGコミックス)
- 作者: 河内和泉
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2008/07/26
- メディア: コミック
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「…好きよ。世界で二番目に」(202〜203頁)
不覚にも鳥肌が…。
うお、ぶ厚っ!
てゆーかあれ?帯「最終巻」って。
出版表には(完)文字がないのに何故?と思ったわけですが…。
雑誌での連載情報を全く追ってないが故に一瞬困惑した最新刊。
よく見れば「本編最終巻」の文字。
実に5年10ヶ月、およそ6年にも及ぶ連載はストーリー上の完結を見るも、番外編として続くそうです。
それにしてもすごいボリュームだ…。
ひぐらしといい最近のスクエニコミックは最終巻が凄いなぁ。
というわけで物語上は最後の巻です。
カリオストロの所にハルピコが殴りこんで以来、そろそろフィナーレかな?というクライマックス感が漂っていただけに納得の展開。
そして堂々の結末。
ハルヒコと優香姉の行く末についてはネタバレも何もないとは思いますが、やはりニュートラルな状態から実際に見てもらうのが一番という事で記述は控えておきます。
そのぶん絵や構図などストーリーに関係ないことを。
てなわけで当該のクライマックスシーンですが、物凄いまでの見開きの連続。
見開きページがこれほどまでに連続してる漫画を見たのは初めてかも、という程に。
そしてそこで見せる二人の表情がまた…胸を打ちます。
ちょっとうるっと来ました、正直に言って。
『エンチャンター』らしい良い結末だったと思います。
「頑張れハルピコ!」は「頑張ったねハルピコ」へ。
一方カリオストロですが、こちらはまあ、王道的な終わりを迎えたかな、と。
最後まで思考…というか行動理念に掴み所ない人ではありましたが「対比」を表現する上でとても良いはたらきをしたキャラクターでした。
そしてもう一方、忘れてはならない人物。
ここの所不審な動き、というか思わせぶりな動きを見せていた骨ことパラケルスス。
時折見せる不敵な笑みやあのビジュアルによって疑いが色濃く。
タイミング的にもカリオストロの後に控える真のラスボス臭(DQ3でいうゾーマ)を漂わせる。
結局善人の皮を被った悪人だったのか、それともフルカネルリの言葉通り「信用して良い」人物だったのか。真相は…。
(あとがきにはどちらにするか考えた事や最終的にこちらにした理由も語られています。)
そんなこんなで大団円の最終巻でした。
大きく膨らんだ風呂敷もしっかり畳まれ、長期連載作としては上々の終わりを遂げた作品でしょう。
(ストーリーもネームもなしに「メイン三人のラフだけ」でGOサイン出されて始まった作品とは思えない…)
尚、今回はおまけが14ページと豊富にあり、恒例の制作裏話のおまけ漫画の他に主要人物のキャラクター解説(作者と担当さんのコメント付)が収録されています。
番外編は後日談になるのか、本編中のサイドエピソードになるのか。
或いはその両方か。
いまから楽しみです。