賽ドリル 2
- 作者: 河内和泉
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2008/07/26
- メディア: コミック
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- 名場面ピックアップ
「ねぇあずきー。お地蔵さんってなんのためにあるんだろうね?」
「さあー?でもずっとあるんだからナンか意味があるんでしょ」(208〜209頁)
ラストシーンですね、他にも名場面の多い最終巻でしたが、あえてココを。
『機工魔術士-enchanter-』がフィナーレを迎えた河内さんのもうひとつの同時連載作。
仏教系ユルユルギャグコミックの触れ書きで展開された作品。
こちらも時を同じくして完結。
エンチャがアクションありの動的な作品なのに対し、こちらはひとつ所で説法と人生訓などを交えつつのんびりだらだら静的な作品でした。
わずか2冊で完結したため、まず真っ先に打ち切りが想像されるかと思いますが、案外とまとまりよくきちんと終わっています。
元々長期を視野に入れていない短期作品だったのかも知れません。
ジャンル的にやや人を選ぶ観はありますが、なかなかにオススメなタイトルです。
さて、早くも最後となった2巻ですが、1巻とは若干趣きを異にし、サイノシンがドリルを課しそれを解いていく二人(あずきとマキヨシ)という構成はやや影を潜め、全国各地に散らばるサイノシンが総登場。
課題を課される側から課題を課す側にスポットが移ったような印象。
そして物語は杏が無事に念願かなって地蔵菩薩になれるのか。
また、何故サイノシンは見守るだけしかせず、手助けをしない…してはいけないのか。
地方に実在するお地蔵さんの話など色々な薀蓄も交えつつ、物語はラストへ向けてスパートを掛け始めます。
尚、前回無人島に飛ばされるドリルを課された4人ですが、そこでのサバイバルが結構な物語を展開するかと思わせる引きをして1巻が終わっておきながら蓋を開けてみればわずか3ページで終了。
え…?と拍子抜けせずにはいられなかったです。
1巻から1年以上空けておいてそれはねーよ。だったら1巻でそこまで終わらせておいてくれよ、と(笑)。
ちなみに今回はビス○ロスマップやオー○の泉など、パロディネタもふんだんに盛り込まれていました。
とまあ、そんなこんなの最終巻。
あずきとマキヨシは現世に帰れたのか。
短くも濃密だったこの物語、その最期を見届けてみてはいかがでしょうか。