夜桜四重奏 5

夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~(5) (シリウスKC)

夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~(5) (シリウスKC)

アニメ化を間近に控えたヨザカルの最新刊。
妖怪狩りの猛者達を引き連れた円神による一大決起。
ヒメは人と妖怪の共存する桜新町を守り、これを迎え撃つことができるのか…。



比泉家の本家だ分家だのや七郷設置の背景など物語の奥行きを広げた前回。
今回はストレートにその続きに入ってすぐさま円神や妖怪ハンター(ネーミングが安易でださい…)達との対決!
とはならず、その前に脇役の桃華や八重さんをメインにしたショートエピソードなどがあります。
まあ、登場人物多いですから今後のためにも各々の掘り下げっていうのは必要なわけですが、それにしても本当に多いな…。
多い多いと言われていたものの今まであまり気にしたことはなかったのですが、今回巻頭に登場人物が一覧になって載っているのを見たらさすがに多いと思わざるを得ない。
これだけの人たちを巧い事転がし切れるのか、今後の良し悪しはそこにかかってる気がしますね。


さて、ショートストーリーの後はいよいよ円神編の序章という感じの物語が始まります。
そこでのスポットは鈴。
キョンシーらしいという事以外何もわかっていない彼女についての掘り下げもしつつ、彼女にからめて一人目の妖怪ハンターが登場するという流れです。
で、そのハンターが登場しヒメらと対峙したところで次巻へ。
鈴編と位置づけられているこの話は6巻がクライマックスだそうです。
そんなわけで導入部分に入ったところで終わるので5巻は全体的に大人しめ。
アクションもほとんどないですね。


尚、あとがきではアニメ化に関してかなり有意義な情報がお届けされています。
アニメ化にあわせてリリースされた際のあとがきというと、作者が製作現場を見ての感想だとか声優を生で見て感激しただのという比較的無益なものが多いのですが、これは別。
刊行タイミングとしてベストである放送開始直後ではなく、1ヶ月以上も前のいま最新刊を出してしまうに見合うだけのあとがきではないかなぁ、と。


具体的にはヨザカルアニメは「アフレコではなくプレスコである」だとか、そのプレスコとはどういうものか、またそのメリットはなどの説明がされています。
そして「そもそも企画が本決まりしたのが去年4月。8月には脚本会議に入っていたので設定なども大きく違ったりする」といった話も。
(ちなみに全12話とのこと)
蓋を開けてみたらアニメは原作と全然違った、とその場になって知るのとあらかじめその辺の諸事情が分かっているのとでは大分違います。
1クール12話でオリジナル脚本のプレスコアニメ。
まとめると大体こんなところです。
普段アフレコかプレスコか意識して見たことなんてない(というかそもそもプレスコ自体珍しいからプレスコ作品を見たことないかも?)ので楽しみにしておこう。