GUNSLINGER GIRL 10

GUNSLINGER GIRL 10 (電撃コミックス)

GUNSLINGER GIRL 10 (電撃コミックス)

  • 今回の名場面

この人と一緒に必死に生きてそして死のう。
(中略)
でも、私の命が託されたものだっていうことは何となく分かる・・・。
だから──だからがんばって生きるよ、お母さん。
(128〜133頁)
10巻のクライマックスシーンです。9巻に引き続きまた涙腺が・・・。


アンジェリカの死が描かれ、一期生を取り巻く雰囲気が一変した本作。
9巻では涙を誘われた人も少なくないのではないでしょうか。
前回を悲涙の物語とするならば、10巻の大台となる今回は感涙の物語。
哀しみの後にほんの少しの安らぎを。
最近のガンスリは一味違う気がします。


というわけで、衝撃のアンジェ死去から明けて今回の話。
メインはヒルシャー・トリエラのフラテッロ
アンジェの一件でこれまで以上にトリエラを守護しようと決意を新たにしたヒルシャー。
それも全て、戦闘の道具としての義体ではなく一人の少女として少しでも長く生きてもらうため。
しかし彼の想いに反しトリエラはその気持ちを汲んではくれない。
このまま想いはすれ違い続けるのか。
しかしそんな折にトリエラはある人物との再会を果たし・・・。



個人的にこのペアには思い入れが強かったため、今回訪れた転機によってトリエラの心境に変化が見られ、生きることへの姿勢が変わったこと。
そして何より、二人がより良好な関係となったことが非常に感慨深い。


アンジェ、トリエラと立て続けにクライマックスを向かえている観のある一期生の物語。
この巻の終盤ではいよいよクローチェ兄弟と過去の事件を巡るストーリーが核心入りする素振りを見せ、次はヘンリエッタを主軸にストーリーが動きそうな気配。
まだまだ終わらない、終われない、終わらせない。