かんなぎ 6

かんなぎ 6 (REX COMICS)

かんなぎ 6 (REX COMICS)

6話の放送日(関東)に6巻発売、何という偶然。
というのはどうでも良いけれど、タイムリーな最新刊。
5巻が割と最近出たばかりなわけで、さすがテレビの力・・・。
ありがたや。


前巻で一区切りついたような流れとなり、新展開が予想された今回。
案の定、というべきかナギとざんげの二人に深く関わり物語の鍵になると思われる登場人物が新たに登場。
そして「残された時間が限られている」事を知り、そのことを意識し始めたナギの心境にも変化が見られ始める。
そして学校では来るべき文化祭に向けてひとつの大きな企画が立ち上げられ・・・。


といった具合に本筋が進行するのですが、実際のところはこの辺の話は今回は割と陰のストーリー。
メインは「荒れていた」という仁の中学時代の回想、そして恋と異性を初めて意識して青少年としての何かが目覚めちゃった感じの仁を取り巻くお話。
異性を意識するようになった途端、普段親しくしていた相手は自分に気があるのではないかと考え始める。
この仁には誰しもが覚えがありそうで、シンパシーからか見ていて何ともいえず面映い状態にさせられます。
そして何より、自分のやりたいこと・すべきこと・将来に迷い、自分探しを始める仁。
また、自分にないものを持つ人に対して間違った憧憬を抱く中学生の頃の仁などなど、昔を思い出して共感させられることの多い今回でした。
激しく余談ですが、てゆーか昔の仁って自分とダブる部分多いです。
そのせいか殊更感情移入できている気がします。
声変わり遅い、体ちっさい、かっこいいじゃなくかわいい扱いetc
渋いヤツ体の大きいヤツに対する憧れは忘れもしない。
まあ、つぐみみたいな幼なじみに恵まれては居なかったですが・・・。



そういったわけで、5巻の中心であったざんげのエピソードがシリアスかつミステリアスだったのに対し6巻はコミカルかつリアリティのある構成。
対称性がある、と言っても良いかも知れませんね。
ちなみに、中学生の頃何故仁が荒れていたのかを含め、御厨家では何故父が長期不在なのかについての言及もあります。


などと、形式的な話はここまでにして、つぐみもさることながら今回はとにかく昔の仁が可愛すぎる(笑)。
つぐみが保護欲をかきたてられ面倒をみたくなるのも無理がない。
そして大鉄はやっぱり良い人良い友人。つぐみは聖母(体育の時は何だか仁に対して親バカみたいになってますが)。
かんなぎ』は魅力溢れる登場人物がいっぱいですので、アニメ化を機に目に留まった人は手にとってみては如何でしょうか。