灼眼のシャナX Etarnal song〜遥かなる歌〜 1

小説版シャナの10巻、すなわちX巻にて展開された過去のエピソードがコミカライズ。
作画はサブングル加藤の一発ギャグで有名な、木谷椎です!
ってちゃうがな・・・。
下らない冗談はさておき、いまより昔、時は16世紀、場所は欧州。
いまはシャナに宿りし天壌の劫火─アラストール─が以前契約していたフレイムヘイズ、先代の“炎髪灼眼の討ち手”─マティルダ─を主役に描かれる戦乱の物語。


というわけであの外伝が漫画化されました。
本編が主にシャナと悠ニの人間関係や成長を描くものであるのに対し、こちらは既に討滅の道具として完成された域にある人々を中心にフレイムヘイズvs紅世の徒という構図による総力戦を描いています。
そういった意味で本編とは大分タイプが異なり、言うなれば硬派な感じ。
タイトルと世界観や一部の登場人物をこそ共通のものとしていますが、別の作品と考えた方が自然かも知れません。


作画担当は木谷椎さん。
実質デビュー作となりますが、成人向けや同人活動で実績があるそうで、新人ではないようです。
それもそのはず、と言って良いのかわかりませんが画力が凄い。
丁寧な描き込みと緻密な描写により、絵の密度がとても濃いです。
元々が小説の挿絵であり、漫画連載を前提にデザインされていないデザインの装束を纏う人物も少なくないですし、敵勢力にはゴーレムや竜など大型なキャラクターも居ます。
よくこんな面倒くさいもの描くなぁ・・・と感嘆を禁じ得ません。
ただ、その分ページを開くと白い部分の方が少ないくらいの濃密さです。
アッサリとした簡素な絵の漫画が好きな人には若干抵抗があるやも知れません。


尚、ストーリーは大筋で原作通りとしつつも、原作にはないエピソードなど+αやオリジナル要素が盛り込まれているようです。
完結までの道筋と大体の連載期間があらかじめ定まっているだけに、最後まで高クオリティのものが期待できそうです。