マテリアル・パズル・ゼロクロイツ 1

土塚理弘さんが送る新基軸のマテパワールド。
マテパにあってマテパに非ず。
これはまったく別の物語。


世界を脅かす鉄身の巨人──ロボット
唯一これを撃ち倒すことのできる力──魔王の骨
ロボットは人類の根絶を計り、人々はこれに対抗していた。
そんな外の世界の戦いとは無縁の平和な時を生きる島。
だが、平和はいつまでも続いてはくれなかった・・・。



待望のゼロクロイツ1巻が来ました。
設定としては本編のグリン王子がゴッドマシンによって見た遥か昔の世界となっていますが、マテパとは別物と考えて差し支えない。
というのも共通する登場人物はいなく、設定や固有名詞だけでなく世界観からしマテパを前提としていないから。
もしかするとこの世界ではマテリアルパズル(=魔法)の概念もないかもしれない。
しかしシリアスの中に時折混じるギャグは健在。
全20巻にも及ぶ無印を先に読んでおく必要がないため、誰でも気軽に手に取れる本当に最初の1巻といった印象。
番外編や外伝の類とは違う趣ですね。


以下、大まかな設定。
鉄身の巨人:人類を根絶やしにしようとするロボット。どこから来たのか、或いは誰かの手によるものなのか委細不明。
クロイツ:選ばれた素質ある人間を魔王の骨の生贄とすることで甦る最強の生物。
ジェンガ国:島に災厄をもたらした張本人。だが、世界に散らばる魔王の骨を探し、兵器を用いてロボットの脅威と先陣を切って戦っているのもこの国。


それから主人公格となる三人の紹介。
ベルジ:心優しい少年 魔王の骨に選ばれ、クロイツとなる なんかもう色々得意
シュウガ:冷静沈着で寡黙な少年 ベルジと競い肩を並べ育ってきたが、クロイツは彼を選ばなかった 投げ縄が得意
クリム:明るく元気な少女 想像に胸を膨らませる事が多く、好奇心が旺盛 弓が得意
そしてその他の魅力的なキャラクター達が物語を彩ります。


作画に関しては文句なしです。
巨人同士の戦いとなるクロイツとロボットの戦闘描写の際のみ若干判り難い場面がある気もしますが、新人としては全体的に完成度が高い。
バンブレといいこれといい、土塚作品には良い人材が当てられているなぁ。
それとこれは好みの話ですが、キャラデザや服装のデザインも良いです。
特にクリムが可愛くてたまらん。
そして彼女の服の股下辺りはどうなってるのか・・・クリムじゃないけど想像に胸膨らむ(笑)。


といったわけで、単体としてとても魅力的な作品。
シリーズ云々ではなく手にとってもらいたいですね。