疾走れ、撃て!

疾走(はし)れ、撃て! (MF文庫J)

疾走(はし)れ、撃て! (MF文庫J)

タイトルと軍隊モノというのに惹かれて買ってみた一作。
実際には期待していたものとは違い、軍事色に乏しく軽めの内容。
あとがきで著者自身「軍隊コメディ」と称しているのも納得。


舞台:日本
世界観:富士山麓にある“ペナント”から異界の怪物が出現する世界 国民には中学卒業と同時に4年間の兵役が課される
用語

  • 魔導士官:重火器での戦闘が主流たる戦場にて異彩を放つ“魔法の使い手”
  • 護衛士官:一騎当千の戦力を誇るが故に敵の集中砲火を浴びる魔導士官を専属で護るための人員 一個小隊を指揮する権限を有する



ストーリーは解り易いです。
入隊して数ヶ月、基礎訓練を終えたばかりの主人公が「特に秀でた成績でもないにも関わらず」何故か魔導士官の少女から直々に護衛士官に就くよう任命されて(7階級特進)・・・というもの。
その他、こういう言い方は好きではないですが「ライトノベルに必要な要素」はほとんど取り揃っている感じ。

  • 主人公は自分が大役に抜擢されたらそれを誇らしげに自慢するよりも謙遜して一歩引くタイプ
  • 無論、女性関係に激しく鈍感
  • そして無自覚に他人にはない特殊な力を持っているらしく・・・
  • 降って湧いて出てきたようなヒロインと昔馴染みの女の子とで主人公の取り合い

などなど。


ただ、揃いすぎてることが逆に退屈。
出来過ぎていて目新しさがなく、銘菓ではあるけれどもう何度も食べてきて今更うめぇぇぇと喜ぶようなものでもない、みたいな。
ストーリー展開も都合が良く、王道的。
もう少し尖った作品の方が個人的には良かったのですが・・・。
しかし個々のキャラクターはみな魅力的。
悪く言えばキャラ頼みなところもありますが、面倒なストーリーよりもキャラクター達の掛け合いを楽しみたい人には薦められる。


僕は残念ながらストーリー重視なので2巻は・・・うーん、買わないかも。