とらドラ! 10

とらドラ10! (電撃文庫)

とらドラ10! (電撃文庫)

奇しくもこちらも最終巻。
一応短編がまだ残ってはいるものの本編はこれで完結となる大台の10巻です。
怒涛の展開で風雲急を告げた物語もこれでおしまいとなります。


まさかの竜児と泰子の決別、大河母の登場で幕を閉じた9巻の続き。
事後処理というか何というか、立った波風を治めるまでの話と、なにより大事な「今後の展望」を描いて完結となっています。
まあ、詳細は何しろ最終巻なので読んでご覧あれということにします。
下手に何か言ってネタバレしてしまうのも良くないし。


というわけで最後だったわけですが、どうでしたか?(なぜ問いかけ)
良い最終回でしたよね。大団円でした。
個人的にも常と変わらず感動はしました。
しましたが、何かこう劇的な感動を得られた!ということもなく、期待していた割に結構平凡に終わったなぁと思ったりも・・・。
泰子との和解も何か話の流れに乗ってうやむやなままに成立していたように思える。
全体としても竜児(と大河)の心理描写に腐心し過ぎた観があって、他の描写や視点に欠けていた節があります。
主役なんだし最後くらいそれでもいいじゃないか、とも思いますが・・・。
と、どこか物足りなく思うのも正直な感想ですが、これまでが波乱万丈破天荒だったからこそ最後が平凡で穏やかなことに意味があるのかも知れません。
これまで荒々しすぎましたしね。


とはいえ、やっぱりこれまでそれを言うことだけはなかった竜児が終ぞ思いを告げる告白シーンで背筋に何も走らなかったのは軽くショック。
ここまで秘めに秘めて引っ張ってきたからにはもっとこう分かり易いカタルシスが欲しかったんですが、何がいけなかったんだろう。
あのシーンに何ら感動を覚えられない自分が憎い。


そんなこんなで、どうにもこうにも燃え尽きたりない気のする最終巻でした。
田村くんと違って連載が長かった分語るに落ちたというか、端的さに足りなかったかも?
といっても最後の最後で若干物足りないと思っただけで、全体として見れば感動することも多く良い作品でした。
まあ、10巻読み終わってまもなく全巻手放した程度ではありますが・・・。
一休みしたらすぐにも次の作品に取り掛かりたいとのことなのでそちらに期待を馳せて。