ひとひら 7
- 作者: 桐原いづみ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (42件) を見る
- 今回の名場面
「きっと演劇やってて良かったって思えるから」(176〜177頁)
何年経っても古本に出さずに本棚に残したい。
そういった作品を誰しも持っていると思います。
ひとひらは僕にとってそのひとつとなった作品。
MY本棚殿堂入り、堂々の最終巻です。
さて、続けられるだけ連載を続けるタイプの作品とは異なり、当初から終着点までの構想・構成が練られていたと思われる本作。
最終巻である今回もその最後にふさわしいものとなっていました。
「引っ込み思案であがり症の女の子──麻井麦が演劇を通して成長する姿を描く」
これだけの魅力的なキャラクターが揃っているとそのコンセプトからずれて寄り道をしたくなりそうなものですが、 麦を中心とした物語からブレることがなく(唯一の例外が野乃先輩の話でしょうか)、まっすぐ走りきった作品と言えるかと思います。
そして何より、「読んで面白かった」というよりも、「読んで良かった」そう思える一作。
既にお持ちの方は今一度最初から読み直してみると良いかもしれません。
また、まだお持ちでない方はいまこそ手に取ってみてはいかが。
尚、本編はこれで最後となりますが、シリーズはまだ完結とはならず外伝という形でもうしばらく続くそうです。
そしてその内容は、本編ではやらなかった上述の寄り道。
具体的には、麦以外の登場人物たちそれぞれにフォーカスをあて、順次1話完結形式で描いていくそうです。
他のキャラクターの掘り下げも見てみたいという欲求は読者としてもありましたので、まだまだ楽しみが残ります。