GUNSLINGER GIRL 11

GUNSLINGER GIRL 11 (電撃コミックス)

GUNSLINGER GIRL 11 (電撃コミックス)

静かに胸を打ち心震わせる物語を描いた10巻から一転。
現代イタリアに名を轟かすテロリスト──ジャコモが再び第一線に姿を見せた。
突如現れた大物を前に、政府は血眼となってこれの対処に乗り出す。
いま、福祉公社と五共和国派の全面衝突が始まる。



11巻です。
ヴェネツィアの鐘楼を占拠したジャコモ=ダンテらテロリスト一向。
是が非でもこれを鎮圧したい政府は公社に特殊部隊との連携を取らせ、送り出します。
戦闘は必然的に大規模なものとなり、作品史上最大級の様相を呈し、実に11巻の半分ほどを戦闘描写が支配。
いつ誰が死ぬとも知れぬ緊張感と息もつかせぬ展開がたいへん見ものです。


尚、この作戦には義体も相当数参加することとなり、これまでほとんど姿の見られなかった一期生の姿もいくつか。
前回のエピソードによって生きる決意を固めたトリエラもこれまでとは異なる想いを糧とし、力を発揮しているのが感慨深い。
ただし、公社にとって一期生は既に「事の重大さ次第では捨て駒として良い」ものとなってしまっているらしいことを如実に感じさせる展開が更に見る者の心を縛りつけてきます。
このままでは遅かれ早かれ一期生は・・・という不安がよぎる。


また、巻の後半ではジャンとジョゼの過去及びクローチェ事件についての回想が始まります。
内容の大部分は次巻への持ち越しとなっていますが、いよいよクローチェ事件の全容が明らかになりそうです。
先の戦闘ではヘンリエッタを気遣うことすら忘れ、躍起になるジョゼという珍しい姿も見られただけに、いかな真相が待ち受けているのか要注目です。


ちなみに巻末には作品の舞台を解説するオマケページが4p収録されています。