狼と香辛料Ⅱ 第五幕「狼と希望と絶望」


黄鉄鉱を値崩れさせるだけの現物。
マルクを伝ってそれを集めるつもりだったロレンスだが、彼からはそれは出来ないの一言。
アテが・・・外れた。
だが、まだ可能性は残されていた。
先日ヨイツの話を訊きに行った年代記作家のディアナは、クメルスンの街の錬金術師の取りまとめ役でもあるという。
一縷の望みにかけ、ロレンスは彼女の元へ向ったが・・・。

物語の佳境、一番の盛り上がりどころは今週じゃなくて来週。
その前フリであるロレンスダセェ・・・。アマーティウゼェ!という第5話。


というわけで5話です。
先週に「来週が一番盛り上がるかも」と言ったわけですが、見当違いでした。
もう少し先へ進むかと思っていたのですが、思ったほど進まず。
まあ、よくよく考えてみれば1期の頃も原作1冊につき6話で構成されていたので、山場が6話であることは容易に察しがついたはずなのですが・・・。


さておき、バトスの了承を得てディアナから黄鉄鉱を買うべく交渉に向ったロレンス。
意外とあっさり「良いですよ」の答えが得られるのだが、先客がいるので私は良いけど実際にお売りできるかどうかはその人次第だという。
確実な仕入先を確保せねばならないのに、ここでもまた不確実な収穫しか得られない。
一抹の不安を抱えたまま帰路につくロレンス。


しかしここで思わぬ朗報。
少し考えを巡らせればウチの看板に傷をつけずに買い集める方法があったじゃないか、というマルク。
そしてその結果得られるであろう黄鉄鉱、その数銀貨370枚分。
もうね、マルクが神すぎです。
あまりにも彼がナイスガイすぎて、ロレンスがどうしようもないダメ男に見えてくるくらい。
シャキッとせんかオラァ!


そんなこんなで、一応ふたつの経路から黄鉄鉱を集める手筈を整え勝負の日を向えたロレンス。
が、市場で目にしたアマーティの横にはホロの姿。
さらにはロレンスへの配慮と手数料の負担までしてみせる余裕顔のアマーティ。
動揺を隠せず、契約の履行作業のあれこれまでも後手後手に。
取り戻したはずの自信はまたしても気の抜けた風船のように萎んでいき・・・。
はぁ、やれやれ。というところで来週へ。


さて、何だか大分もったいぶらされたというか、「どうせ元鞘に納まる」と、結果が分かっているものをだらだらと見せられているような気もしますが、それも来週でお終い。
(これでもバトスとの折衝やディアナとの交渉、さらにはロレンスが小僧に名前を尋ねるという行為の意味などなど、表立っては出てこない裏側の機微や描写などかなりの要素が省かれています)
結果が分かっていても過程を楽しむというものもあります。
そういった意味では次回はそれに打ってつけ。
手に入るかどうか分からない買い付けの結果を待ち、手元の限られた黄鉄鉱で過熱した市場に冷や水を浴びせてアマーティの利潤を阻害できるか否か。
ギリギリの綱渡りとメンタル勝負が描かれる次回こそ、間違いなく盛り上がりどころです。