大正野球娘。 第六話「球は広野を飛び回る」


再び九人揃い、基礎練も十分に積んだ。
晴れて実質的な練習へ移ることにゴーサインの出た櫻花会。
が、当のアンナは「実戦に勝る練習なし」の言葉を残しておばの看病のため長崎へ。
仕方なく相手を探す一行だったが・・・。

親はなくとも子は育つ。そんな言葉がふさわしい第6話。


さて、そんなわけで練習試合の相手を探すのですが、やはり女の野球とナメられてしまい申し出はことごとく空振り。
肝心の相手が見つからないと困り果てたところに、小梅が格好の相手を見つけてきました。
それは、野球をする場所がないと嘆いていた小学生の男の子たち。
最初は「子供が相手じゃ・・・」と渋る面々でしたが、時折筋の通ったことをずばっという小梅がここでも良い発言をし、説得。
いざ、小学生相手の練習試合の開始!

  • 一回目:惨敗

打てず投げれず守れず。
子供なんかじゃ、と見下した相手にすら勝負にならない自分たち。
このままでは・・・と気落ちしますが、乃枝が改善点や対策を考えてくるという。
それを元に練習をして再度挑戦することに。


一試合目は本当に何もかもが駄目でした。
俊足の胡蝶は凡打でも内野安打になるのだろう、と思いきや送球の方が早く、アウト。
他が打てなくても巴は打てるだろう、と思われた彼女も三振。
晶子が通用しないのは分かりきっていましたが、それ以外は良い感じに予想を裏切ってくれました。
しかもすべては次への前フリ。


まず、胡蝶は一塁がより近くなる左打者にスイッチ。
巴は「ヒットなんていつでも打てる」とHR狙いの強振が原因で、別に打てないわけじゃなかった事が判明。
マジかよ、じゃあ打ってみろよ。と言ってやらせてみれば出るわ出るわの快音。
巴パネェ!
でもって晶子は制球力の習得から。
ホームベースの前をストライクゾーンを視覚化できるよう区切って投球練習。


って、たった一試合みて一晩でこれだけの対策を揃えてくる乃枝の分析力が尋常じゃないなー。
(ただ、その割にこの状況からそれでも晶子続投ってのが正気とは思えん)
これらを踏まえ、翌週再戦と相成りました。

  • 二回目:やっぱり力及ばず

晶子は短期間でしっかりと制球力を身につけましたが、スタミナが決定的に不足。
序盤は良かったものの後半が目も当てられない。
さらにバッテリーとして小梅との関係が機能せず。
しかし胡蝶は華麗に内野安打。
うほっ、胡蝶かわゆす。
巴も快音を響かせるなど、収穫あり。


それにしても晶子はここまでの5話といい今回といい、存外キレやすい性格ですねー。
負けん気の強さは投手向きと言えば投手向きですが、ガンくれシーンが結構あるし、良い意味でお嬢様という感じがしないなぁ。


というわけで今度はバッテリーの関係強化。
一般的に捕手を女房役というように、バッテリーには良い夫婦関係が望まれる。
それだったらいっそ一緒に暮らして生活してみなさいよ、と新婚生活案浮上。
ちょ、何それ(笑)。
けれどやってみたら意外と効果はあった模様。
阿吽の呼吸で作業をする小梅と三郎の姿を見て、我が強く精神面に難のあった晶子の気の持ち方に変化が生じたようです。
ちなみにとても仲睦まじく見えた二人ですが、小梅曰く三郎とは「そんなんじゃない」とのこと。
ふむ、良い組み合わせに見えるが・・・。勿体ないな。

  • 三度目の正直なるかという三回目、惜敗。

晶子は好き勝手に投げるのではなく、小梅にリードを任せるようになりました。
小梅もどこに才があったのか、優れた洞察力を発揮して晶子をリード。
一番の課題だったバッテリーは大分良くなってます。


そして二遊間の守りが完璧すぎてワロタ。
素人女子野球のレベルじゃあねぇぞ!
(静もさり気なく捕球後の落球がないよう手首を返す動作をしているなど、上達が見られます)
試合としても最後巴が色気を出さなければ、という好内容でした。
一歩一歩を段階を踏んできちんと成長しています。


それから例の虫除け対策ですが、三郎と小梅を許婚にというものでした。
一足先に聞かされた三郎、後から知った小梅の反応とその後に二人ではたらく様子といいコレは・・・。
なんというニヤニヤ動画。これいい!これはイイヨー!
やはりあれだけの好ペアという逸材を活かさない手はないですね。
この二人なら超アリだと思います。


というわけで6話でした。
小学生相手にも歯が立たない状況から徐々に様になっていく過程がしっかり描かれた良い回でした。
小梅や晶子の三振風景や投球・守備の挙動にもしっかりとしたこだわりが見て取られるなど、制作側が真面目に野球を描くよう取り組んでいることが窺えるのも好印象。
晶子の球威のなさや巴以外にヒットが出ている様子があまり見られないなど、まだまだ課題を残してもいますし、先が楽しみでならない。


来週はまたアホの子巴が奇行に走る模様。
でもって晶子がサイドスロー気味になっていました。
球威も上がっていたような・・・?