狼と香辛料Ⅱ 第八幕「狼と蟲惑的な旅人」


街へ入る際に市壁の外で見た商人の集団。
儲けにつなげられる何かがあるかも知れないと考え、情報収集に出たロレンス。
人が集まるところ即ち情報の集まるところ。
酒場へと足を向けるロレンスだが、そこの看板娘から興味深い話を聞くことができ・・・。

新キャラのお披露目と今後のストーリー展開への布石が打たれた第8話。


ようやく話が動き出しました。
まだ種まきといった段階ではありますが、俄然面白くなってきた観があります。


さて、街で起こっている事態とは何なのか。
まず、レノスは毛皮の取引で栄える町です。
町の経済の根幹に関わるため、今年の取引に関する取り決めは会議でもって決定されます。
今現在その会議の真っ最中。
取引条件がまだ定められていないため毛皮の取引が出来ず、多くの商人が足留めを食っている状態。
そこで、会議の決定事項が発表される前に会議の全容を知ることができる書記官から会議の内容を聞き出すことが出来れば、先回りをすることができます。
いわゆる現代でのインサイダー取引のようなものです。
そして、折り悪くもその書記官リゴロこそロレンス達が伝承を訊きたいとする年代記作家その人。
先の事情があり、群がる人が後を絶たないためこの時期は人払いをしていて誰にも会ってくれない、と。


とまあ概ねこんなところです。
商売抜きでリゴロに会う必要のあるロレンスですが、町で起こっている事を前にして商売っ気も出てきた様子。
それはそれ、これはこれとしてまた何か儲け話でもないかな、と考えて始めました。
これにはこれまでこの作品を見てきた人なら誰もがこう思うはず。
「またかよ。どうせ欲かいて失敗してピンチになるんだろ?」と。
さて、今回はどんな火種に飛び込んでどんな窮地を迎えるのか。


一方、新キャラのエーブ。
気難しい性質の宿屋の主人アロルドに早々に気に入られた観のあるロレンスに興味を示し、コンタクトを取ってきました。
曰く、素顔を隠さず歓談のできる相手が欲しかった。それが商人なら尚良い。とのこと。
こちらも商売抜きといった風ですが、他に魂胆があるはず・・・と思うのが自然です。
いずれにせよ、今回ロレンスの元にトラブルを呼び込んでくるのは彼女に違いないわけですが、一体どんな話になるのか。


といったわけで続きが気になる仕掛け満載の8話でした。
まだほんの触り程度でしかありませんが、やっぱエーブは良いっすねー。
僕ならこの流し目だけで落とされる自信があるぜ。
酒場の娘も捨てがたいですが、あれは営業トークなので真に受けない方が良い、と。
ちなみに脇役にしてはやけに存在感を放っていた彼女ですが、名前もなく今後の展開のキーキャラクターとなることもありません。


来週はサブタイからして既に危うい感じが・・・。
今回で助走が終わったので次からはどんどん走ってくれるはず。