毎週火曜はチューズデイ！

毎週火曜はチューズデイ! (まんがタイムコミックス)

『男爵校長』シリーズなどで知られるOYSTERさんの読み切り単巻作品。
人物の登場は一切なく、チューズというつまるところただのねずみしか出て来ない異色作。
完全ネタ勝負の一作であり、力作といった印象。


というわけで、この所「キャラクター」を推して人気を取るのが主流となっている四コマであえてキャラに一切頼らない作品が出てきました。
元々ギャグには定評のあるOYSTERさんですが、人物を使わずネタ作りをされた本作ではその点が特に際立っている感じですね。
ほんっとに面白い。


基本構成は極めて単純です。
人間社会の知識を半端に取り入れたねずみ（チューズ）達が人間の真似事をしてみたり、モノを使ったりする様を滑稽に描く、というもの。
オスとメスの違いやめがねをかけたチューズくらいは居ますが、基本的に彼らの個体識別はできません。
名前のあるやつもいません。
本当にただひたすら名もない見分けもつかないねずみが遊びまわってる様子を描き続けてます。
しかしまさにねずみならでは、という展開やオチはとても愉快。
また、チューがつく言葉やモノに関してみせる彼らのこだわりをしつこいくらいに一点押しでネタにしてきますが、「チュー」だけでこれだけ引っ張れる発想力がすごい。


残念ながらこれ1冊きりの完結作ですが、マンネリにならない完結作だからこそこのクオリティになった、と言える側面も。
続きは見てみたいとは思うけれど、劣化するくらいならこれきりでいい。
そんな風に大事に？したいほどおもしろい傑作ですね。