鬼燈の島〜ホオズキノシマ〜 4

疑心が不信を呼び、不信がすべてを虚偽と思わせる。
疑いが疑いを招く負の螺旋。
三部けいが描く渾身のサスペンスホラー、完結巻。


シュウが崖から転落。
ユキノが突き落としたかに見えたあの瞬間。
大人は誰も信じられないと心を閉ざし、真実を話せとユキノに迫る心ですが・・・。


さて、この物語も今回でおしまいです。
誰が嘘をついていて、誰が嘘をついていなかったのか。
また、誰かの死はそれぞれ事故だったのか、それとも他殺だったのか。
それらの謎も含めすべてが解明されます。
元より3巻完結の予定で最後までの道筋が構成されていた作品だけのことはあり、伏線や話の仕組みの完成度はやはりかなり高いです。
そして最後まで読むことで、どれもこれもがきちんと説明がつくようになっているのはもちろんのことですが、いちいち1巻や2巻を遡って読み直さなくても良い作りになっているのが読み易くて良いですね。
尚、最後の最後にひとつだけ、真偽不明の要素としてちょっとした謎を残したまま終わるという遊び心も忘れていません。


次回作もまたYGGで冬から連載開始とのこと。
カミヤドリの方もまだ残っていますし、今後も三部さんの作品が楽しみです。