エバーグリード(EVERGREEN:D) 1

エバーグリード EVERGREEN:D 1 (ドラゴンコミックスエイジ し 3-1-1)

エバーグリード EVERGREEN:D 1 (ドラゴンコミックスエイジ し 3-1-1)

富士見書房が新たに興した新レーベル、ドラゴンコミックスエイジ。
その記念すべき第一号のひとつとなる一作。
というのは後から知ったことで、実際は事前情報なしになんとなく興味を惹かれて買ってみた次第。
結果としては、不満もないがとくに満足感も得られずといったところか。


本作は、大義のためではなく私的な復讐をかねて悪を退治する男子高校生が主役というSF作品です。
世界観は近未来。
ある時を境に巷に流れ始めた「全身緑色の怪物が人を襲う」という奇妙な噂。
しかし、これは噂ではなく事実の一端。
体に種子を植え付けられた人間は心の闇を増幅させられグリーンという怪物へと変貌し、周囲の人をも同胞として取り込んでいくという。
元凶は未だ解明されていないこの現象。
自然を蝕み続ける人類への植物の報復なのか・・・。


といった塩梅です。
主人公の過去や常人ではない体に秘められた謎、そして何よりグリーンとは何なのか。
様々な謎がちりばめられていますが、今回はその掘り下げはなし。
1巻はとりあえず表層を捉えたイントロダクションといったところ。
尚、主人公の言動は昨今よく言われる「厨二病」的な感じがほんのり。


一方、作画に関しては謳い文句の「圧倒的な画力」は正直いって誇大広告と言わざるを得ません。
表紙は確かになかなか良さそうですが、表紙詐欺という言葉があるくらいなだけに、いまどき表紙はどんな漫画でも質が高いもの。
肝心の本編での作画は、人物の表情が豊かで首から上だけは安定しているものの全体としては及第点どまり。
とりわけアクションの描写に実力不足の観が否めず、大ゴマの使い方もありきたりでイマイチです。


というわけで、2巻も引き続き買うのは若干悩む微妙な感じの作品。
富士見書房の「ドラゴンコミックスエイジ」のページから試し読みもできますので、まずはそちらをどうぞ。
(これもあとから調べたので僕は買う前に見てません・・・。)
余談ですが、どうしても脳裏に『緑の王』がチラつきます。