ダンスインザヴァンパイアバンド #01「プロムナイト」


新房監督×シャフト×吉野弘幸という良くも悪くも名の知れた顔ぶれによる同名コミックのアニメ化。
1話がパッとしない冬アニメが多い中、やはり良くも悪くも尖がった印象を鮮明とした初回。
何年も前に1巻が出た時は買ってすぐドロップアウトしてのだけれど、これはもしかしたら1クール最後までお付き合いできるかも・・・。
そんな風に思えた第1話。


さて、略称が定まらないダンヴァン第1話です。
「初めは違う番組が始まったのかと思った」
というのは珍しくはない手法ですが、「初め」が冒頭数分を指すのではなく初回放送ほぼ丸々全部を指すともなるとなかなか稀。
導入の仕方は原作から大きく変更もされており、おもしろいおもしろくない以前にかなり冒険したなぁ、というのが率直な感想。


それにしても「我が名において命ずる。死ぬが良い!」か・・・。
こ、ここでアレを言ったら負けだ。負けなんだ!
わかっちゃいても即座にあの人が脳裏をよぎったのは今更取り消すこともできないという。
そんなわけでこの際だから自棄、言ってしまえ。
「ちょ、それギアス(笑)。ルルーシュ(笑)。」


さておき、これだけ原作に手を加えると恐らく少なくない割合で原作ファンの反感を買っていそう。
だが漫画そのまんまのアニメを作って狭いターゲットのご機嫌を窺うよりは、ファンの不満を承知の上で思い切ってご新規さんを狙いにいくんだ!という感じでしょうか。
まあ、それが奏功したかどうかは別の話ですが、挑戦的な印象を強く受けました。
(尚、このアニメでは原作者が制作に関与しています)


というわけで、のっけから随分と風変わりなものをみせてくれたこのアニメ。
新房監督というと、04年の月詠・なのはを最後にこのところはギャグやラブコメしかやっておらず、ともすればワンパターンとも言われる演出が気になり始めたところだったのですが、久しぶりのシリアスでマンネリの印象がガラっと変わりました。
初回に関しては色々とひっかかる点もありましたが、──たとえばミナのバンド設立宣言をラストに持ってくる構成だったため、そこに至るまでの間を埋めねばならず、バラエティ番組を模した前半から中盤がやや冗長気味であった。とか──単純に次回も楽しみになれたという点では好印象です。
あとは本編に入ってからも引き続き興味を引いてくれるようなものであるかどうかですね。
今週はおおがかりなPVとでも位置づけて、実質来週が1話と考えても良いかも。