閃光のナイトレイド 第1話「救出行」


テレビ東京×アニプレックスのオリジナルアニメーション企画第2弾。
ちょうど第一次世界大戦第二次世界大戦の狭間にあたる1931年の上海を舞台に、日本の諜報機関「桜井機関」の暗躍を描くという作品。
スパイ物という風に分類して良いのかな。
この手の作品は好きな部類なので、楽しみです。
(4月7日追記あり。)


さて、1話の視聴を終えましたが、オリジナルアニメーション特有の未知数な感じがいいですねー。
ソラノヲトはオリジナルであるにも関わらず展開やオチの読める話ばかりだったので、この点においてソラノヲトよりは期待ができそうです。


しかも初回はまるっきり視聴者置いてけぼり。
視聴者のご機嫌を窺うことなどまったく度外視したこの不親切さ。
そういう作品、嫌いじゃない。むしろ好きなくらい。
(但し時と場合による。置いてけぼりな上につまらない作品も数多い。)
それと音楽が良いですね。
作曲を葉加瀬太郎さんがやっているわけですが、自ら演奏しているメインテーマのヴァイオリンの旋律にしびれます。

そんなこんなで何の説明もなく各登場人物が超能力を使い始めますが、公式HPに記載があるのでそちらから抜粋。
三好葵:サイコキネシス 念動力っすね。手を触れずに物を動かせる力。時間制限がある。今後その制限がうやむやにならないかが懸念材料。
伊波葛:テレポート こちらは逆に自身や触れた対象物を任意の空間に飛ばす力。視界の範囲内に限定され、回数制限がある。
苑樹雪菜:サイコメトリー EIJIでご存知の方もいるであろうアレです。制限は特にないようですが、集中力を要する模様。公式に記載はないけれど1話を見た限りではテレパスの力もある?
鍵谷棗:名称不明 望遠・透視・暗視などを有した特殊な視覚能力を有する。月の光に左右されるらしい。新月や曇天だと役立たず?


その他、初見の印象では雪菜は諜報員といえど身体能力は期待できなそう。能力を生かしたサポート要員っぽい。



また、近年はもはやそれがないと「売れない」とまで言われる萌え要素が欠片も見当たらないのも好印象。
売るための作品作りではなく、良い作品を作ったら結果が伴ってくるといった方針が感じられる作りです。
これは言い換えればマーケティングを考えないで好き勝手に作りたいものを作ってるだけとも言えますが、数ある春アニメの中にひとつくらいそういうものがあるのも良いかな、と。
ただ、昨今のアニメ市場ではそうした意気込みから生まれた力作が必ずしも結果に繋がらないのが実情で、まだ1話ですがこれもあまり売れそうな気配はしません。


しかし久しくこういった傾向の作品を拝見できていなかったので、何だかとてもわくわくします。
原作つきとは異なり、ストーリー展開の先が読めないことへの期待と高揚感を覚えるこの感じが楽しいです。
不安要素としては、リアリティ重視の中にぽつんと紛れ込んでいる超能力設定が挙げられるかな。
この素材をどう使うかによって、ピンキリいかようにも変化しそう。
とりあえず第一印象では気に入ったので、今後も期待。
期待しすぎると外れた時の失望も大きくなりますが、とにかく今は先が待ち望まれます。


尚、OP映像はなくED映像と思しきものはありましたが、曲はOP曲でした。
OP映像なし・曲あり ED映像あり・曲なし ということですね。
来週はOPの映像にOP曲がつき、ED映像にはED曲がつくと思います。
また、予告は第1弾『ソラノヲト』と同様にweb配信限定のようです。
TV放送には予告がついていませんので、気になる人は公式HPをご覧下さい。
(但し4月6日現在、まだ2話の予告は配信されていません)


以下、追記分。
最後の桜井と三好の会話にて、目撃者の始末という話がありました。
ということは、「面倒を見る」と言われたあの囮の三人組も消されたと見るべきっぽいです。
つまるところ不用意に能力を使えば使うほど必要以上の人間が死んでいく可能性が増すということでしょうか。
もしかすると伊波が能力を使おうとしないのは、そういったことも考慮してのことなのかも知れませんね。
無論、作中で仄めかされていたように過去に何がしかの出来事があって、ということもあるのでしょうけれど。

使ったか否かを桜井が知る術がない場合、実際は使っていなくても使ったものとして目撃者が消されることになるので、使わないことを徹底することに意味があるのかどうかに疑問の余地はありますが、そういった理屈を抜きにした個人的な矜持を伊波が持っていてもおかしくはない。