DARKER THAN BLACK−黒の契約者−外伝 第四話


アニメ第二期が投げっぱなしな結末だったこともあり、賛否両論巻き起こし(否が多かったかな?)、否が応にもファンの期待が一点に注がれることになった外伝。
その外伝での最終話となる第四話。
イザナミへの覚醒を迎えつつあり、人類・契約者を問わず“脅威”として扱われ始めた銀(イン)。
そして、個人的な思惑からそんな銀を連れ去っていったクロードという一人の契約者。
彼の手から銀を取り戻すべく立ち上がる黒(ヘイ)だったのだが・・・。
堂々の、とは言い難いものの一応「DTB外伝、ここに完結!」


さて、実に半年以上に渡ってゆっくりと進展してきた外伝もこれで最後。
主にまだ1話も見てない人向けに一言言っておくと、外伝見ても結局何も解決(判明・理解)しない。
二期を紐解く上での何かの足しにはなる。
なるが、解法足り得ないし、重大なヒントが隠されているなんてこともない。
あくまでファンサービスとしてのおまけ、というのが外伝の正しい位置かと思う。
(まあ、元々一期と二期の空白を埋める補完でしかないしね)


そういった観点では、3話まで同様4話も非常に満足のできる内容。
つまらないわけでもないですし、不満があるわけでもありません。
普通に面白い。
魅力的な登場人物や強力・面白い能力をもつ契約者が惜しげもなく散っていくあの感じは、一期の頃に覚えた感覚に近く、それだけでも十分に楽しめた。

今回だとキャストで「野良犬」と表記されているあの女性とか。
てっきり3話でお亡くなりになったものと思いきや、よもや本体?の姿で4話に登場し、その上あれほどの活躍をするとは・・・。
今回みたく一時的なものに留まらず、一期のマオのようにしばらく組んでの行動をもっと見たかったとすら思う。
あのまま二期にまで登場して欲しい逸材。
それと、クロードも面白い人物だった。



そしてアクションもこれが最後なだけに、長尺ではないものの短い間に凝縮させる形でこれでもかってくらいに動いてる。
動きの激しさや単純な速度で言ったら一期・二期・外伝を通算しても今回が一番スピーディだったかと思えるほど。
実際目で動きを追うだけでも一度見たくらいでは大変。
スロー再生なんてものを使ってしまおうかと考えるくらいだった。

作画枚数を減らしてすっ飛ばすように描写すれば速度だけは上がるので、速い=作画がすごいってほど単純でもないが。



というわけで、兎に角も単純な視点で楽しんだ方がお得だなぁ、というのが外伝の印象。
二期で解けなかったものを求めにくると、尚更不満が募るだけといった感じだ。

ゲート・契約者・ドール、そしてイザナミ云々などはもはや考えるだけ無駄

そもそも考えたら判るよう作られてないのだから意味がない。
何となくの理解にまでは到達できても完全な答えはアニメの中にはない。
それがあるのは監督の頭の中だけか、最悪監督の頭の中にもないかも知れない。

それよりも純粋に、一期にはあったが二期に(アニメーションとして)足りなかったものを求めにくると良いかな。
4話でのヘイの立ち回りなどは、仮面を装着していたこともあって久しぶりに「これぞ黒の死神!」というものを見ることができ、満足度も高い。
一期ではまだそこまで至っていなかったヘイとインの親密ぶりも堪能できるし、“観るもの”としての価値でなら外伝はとても良い作品。


いやぁしかし、銀を失ったことでヘイがあそこまで落ちぶれるとは。
まんま若くして妻を失った旦那状態だった。
銀がヘイにとってそれほどの存在になっていたことが嬉しくさえ思えた。
これ(と一期じゃ一切服装の変わらなかった銀ちゃんのファッションショー)だけでも外伝を見る価値はあったかな。