Steins;Gate(シュタインズゲート)〜亡環のリベリオン 1

STEINS;GATE 亡環のリベリオン(1) (ブレイドコミックス)

STEINS;GATE 亡環のリベリオン(1) (ブレイドコミックス)

噂に名高い名作ゲームのコミカライズ、第2弾。
原作のライター自らシナリオ原案を務め、本編での主人公とは異なる人物にスポット当てたスピンオフ作品。
ゲームにはない書下ろしのエピソードを含んでいるようだ。

尚、原作は未プレイ。
先日発売された本編漫画版『シュタインズ・ゲート』(メディアファクトリー刊 さらちよみ作)でしかこの世界を知らない。



買ってまいりました、コミカライズ第2弾。
本編漫画版(以下無印とする)の1巻ではまだほんの少し登場しただけの阿万音鈴羽(未来ガジェット研究所階下のお店のバイト)を主人公としている。
全体の印象としては、本編ないしはゲームの「オマケ」といった色彩が強い。
ストーリーは原作を前提にしている部分もあり、ゲームをプレイ済みか最低限無印を先に読んでおかないと100%本作を楽しむことは難しそう。
そういった意味では本作だけの単体では、漫画としての完成度は低い。
あくまでも本編ありきのオマケといった印象だ。
一方、そういった観点から評価すれば、かなり楽しめる作品ではあると思う。
ただしストーリー進行のテンポは大分速いように見受けられるため、場合によっては本作が先に無印のネタバレをしてしまうケースが今後ありうるかも知れない。
この点は、原作を知らない者にとってはやや気がかり。


そして、これは上述のようにストーリー面からもそうなのだが、拙い作画も高くない完成度の一因と言える。
同人上がりの新人からもっと巧く描ける人が起用されている昨今、新人とはいえこれはやや力不足。
ただ、作者自身あとがきで「初回が酷かったので単行本化に合わせてところどころ描き直した」というだけはあり、同じ1巻でも終盤はある程度よくなってきてはいる。
初回の書き直し箇所に見当がつくくらいなので、今後次第かも知れない。


総じて、いきなり本作から入り本作だけで完結するのはあまりお奨めできない。
他のものと合わせて楽しむことで真価が発揮されそうだ。