彼女は戦争妖精 6

彼女は戦争妖精6 (ファミ通文庫)

彼女は戦争妖精6 (ファミ通文庫)

エリジウム”“レボルシオグ”“ミンストレル”そして“クロウクルーワッハ”
ばらばらだったそれぞれのつながりが、少し明らかになったように思える第6巻。


さつきまでもがロードとなり、悩みの種が増える一方という伊織。
彼自身、元々望んでこの戦いに身を投じたわけでもなし。
その上イソウドのような彼からすれば訳のわからない相手から一方的にいちゃもんをつけられては・・・。
ということで、これまで安定して冷静だったかのように思えた伊織が、密かに溜め込んでいたストレスが爆発する。
きっかけはある人物からの思いもかけぬ唐突な一本の電話で・・・というのが今回のお話。

一方ミンストレル勢の側でも前回イソウドがあれこれ手を引いたことをきっかけに、各人各様の行動を取り始めている。



これまで牛歩のごとき進捗具合だった物語が、今回は何か一気に前進したように思える。
この辺は著者自身もあとがきでラストへ向けて形が見えてきた部分も出てきたと語っている。
この6巻は物語の中盤におけるひとつの山場かも知れない。


尚、今回は現存するロードとウォーライクが全員戦列に参加するというこれまでにない展開が用意されている。
幾人かは本当にちょっと参加しただけと言える状況ではあるが、伊織を中心に何かが起ころうとしている兆しのようなものが窺え、この先の展開に色々と想像を巡らせる上での良い添加剤となっている。


ちなみにその中の一組には、当初予定では2巻限りであっさり退場する予定だったけんまーペアも入っている。
意外な形での関与には賛否ありそうだが、折角予定を変更してまで生存させたからにはこれくらいの思い切った処遇がふさわしいと、個人的にはそう思え、なかなかに楽しい状況になっていた印象が強い。


そういったわけで、6巻はあらゆる意味で今後が楽しみになるという良い中継点だった。
つくづく伊織がライトノベルの主人公らしからぬ点も小気味良い。
そのほかにも5+α対1でフルボッコとかもうね、本当に最高ですよ。
勝てば官軍!こまけぇこたぁいいんだよ。