ワールドエンブリオ 7
- 作者: 森山大輔
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2010/09/03
- メディア: コミック
- クリック: 116回
- この商品を含むブログ (31件) を見る
連れ去られたネーネ。
「これまで」を清算し、「これから」が始まるターニングポイントの第7巻。
さて、7巻。
実のところYKコミックスは、同価格帯の他の月刊誌漫画と比べて1冊辺りが2割弱分厚い。
その分、1冊あたりで一度に読める分量が多い反面刊行ペースがやや遅くなる。
結果、7巻を読む頃には6巻のこととかあんまり覚えてない・・・。
そのせいで、いきなり7巻を読んだだけでは薄ぼんやりとしか理解が及ばす、正直わけが分からなかった。
今回はこれまでの総決算とも言える内容となっているので、一度過去を整理してから読むと尚良いだろう。
そしてストーリーは上述の通り、これまでの締め括りとも言える展開となっている。
これまでずっと「天音姉」の代わりを期待してネーネと接し続けてきた陸。
陸は、今回その欺瞞のツケを支払わされることになる。
成長すると共にネーネも聡くなっていく。
いまこの時、その綻びが破綻へと結実したのは不幸としか言いようがないが、これは遅かれ早かれいずれ免れなかった結果である。
陸もそのことに気付かなかったわけではなかったが、自覚が遅すぎた。
そうして手遅れとなってしまった(ここで7巻終了)。
では、この後彼はどうするのか。それが今後の物語となりそうだ。
また、戦闘描写の比率が高く若干ややこしい場面が多いのは、バトル好きの人にとっては良いことであり、そうでない人にとっては難点かも。
そのほかにも最終決戦とばかりに初登場の刃旗使いがバンバン登場。
の割に大したはたらきもしておらず、別段必要性を感じないのが残念。
意味のない大判振る舞いをするくらいなら・・・と思わなくもない。
いずれにしても第一部完とも言うべきクライマックスにふさわしく、密度の濃い内容となっている。
『クロノクルセイド』からの読者である人には「懐かしい感じ」すら抱かせるかも知れない。