獣の奏者 3
- 作者: 武本糸会,上橋菜穂子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/09/09
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
だが、その穏やかな生活も4年が過ぎさろうとしたある日、王都からジョウンの息子が二人の下へやってくる。
明らかになるジョウンの過去。
変わろうとしつつある環境。
エリンは再び、別れと旅立ちを迎えようとしていた。
少女の一大成長記、転機の第3巻。
待ちに待った3巻。
今回は2章あるいは3章とも言うべき展開へと突入。
ジョウンに拾われたばかりの頃は10歳だったエリンも表紙を見ても分かるように見るからに成長を遂げ、14歳にまで成長。
と、同時に「いつまでもこのままで居られたら」という願いは儚くも彼女の予感通り実現せず、またしても別れを迎えることに・・・。
しかし母との別れとは異なり、此度のそれは何も悲しいことばかりではない。
むしろ人生の目標を見つけ進むべき道を見定めたという点において、彼女にとってこの別れは良きものとなったかも知れない。
そんな複雑な心境の機微が感じ取られるのが、この作品の良いところだろう。
その他、エリンがジョウンの元を離れ学び舎へと身を移したことで、彼に代わって今後の彼女の人生に大きく関与してくるであろう新たな人物が登場。
これもまた天の配剤か、ジョウンに引き続き良き相手との出会いに恵まれたようだ。
いや、ほんとすごく良い子ですよ。新キャラが。
トラウマとも言うべきエリンの心の闇の一部を取り払ってくれたことは、何物にも代え難いはたらきだった。
こうやって色々な人との出逢いを通じてエリンは成長していくのだろうなぁ。
尚、2巻にて真王やダミヤ、イアルといった人物が相次いで登場してきた王都方面の話は、この巻の一部でも同時進行中。
ただ「一部」と書いたようにそれほど大きな割合を占めてはおらず、まだこれと言った展望は見えてこない感じ。
エリンがこちらの物語に関わり始めるのもまだ当分先のこととなりそうだ。
と、そんなわけで引き続き今後が楽しみだが、4巻は半年後の来年3月に発売予定とのこと。
まあ、月刊ならばこれくらいは仕方ないかな。