劇場版ブレイクブレイド 第一章「覚醒ノ刻」

吉永裕ノ介さんのロボット漫画『ブレイクブレイド』を原作にもつ劇場アニメーション。
「意欲的にではないが、戦場に立つことになってしまう主人公」
といったお約束の要素も備えつつ、凡百の作品にはない独特の展開を魅せる面白い作品。

具体的には、死亡フラグというものが機能せず、思いもかけぬ人物があっさり死んでしまう戦場。
主人公の主人公らしからぬ言動などが挙げられる。

尚、空の境界に代表される全6部作という公開方式を取っている。
また、原作の漫画はまだ連載中であり未完結のため終盤はオリジナル展開となることが既に決定済み。
※キャプチャー画像編集中


さて、ロボットアニメと言えば空を飛ぶのは当たり前。
ものによってはビーム兵器だ何だといったハイテクが運用されているのが半ば常識かと思います。
そんな中で、数少ないローテクロボアニメとしての「無骨な感じ」が好みに合う人は少なくないんじゃないでしょうか。
何しろ空を飛ばないどころか火薬式の銃火器すらない世界ですからね。


あとはやはり、ロボものには欠かせない「機体が起動する瞬間」が興奮します。
初代ガンダムの「こいつ、動くぞ」に始まり、沈黙を守っていた機体が窮地を前に思わぬ起動を見せる場面は否が応にも盛り上がります。
加えてブレブレの場合、主人公補正によって「彼にしか動かせない機体」が存在するため、初回のみならず「他の者が動かそうとしたけど動かなかった」後にも同じような高揚を味わえる一粒で二度おいしいオマケつき。


しかしその他では全体的に抑揚に欠け、盛り上がりどころが乏しかった観は否めない印象。
如何せんこれからが見せ場というところで第一章が終わっている点は残念と言わざるを得ません。
あくまでも次もある(見てもらえる)ことが前提となっているような構成に近く、その点では(劇場版としては)巧い作りだったとは思えず。
ただ、かといって駆け足になりすぎるとそれはそれで今度は原作ファン視点からするとガッカリなので、1話50分という区切り方をした尺の中でどう原作を再現するかは難しい問題だったことは想像に難くないです。


その点では、三章公開を前に敷居のないテレビ放送という形で二章まで見せてしまうのは戦略として利に適っていると思います。
二章は躍動感あるゴゥレム戦の描写も十分にあるので、そこでグッと心を掴めれば多少は三章以降の観客動員につながるはず。
いや、ほんと実際問題観客動員数が伸びてないらしいので、今回のテレビ放送は明らかにそれを狙ってのテコ入れ(´・ω・`)
かくいう僕もまだ劇場では見てませんが、三章くらい一度見てみても良いかなぁなどと思わなくもなく・・・。


何にしても来週放送の第二章は一章よりも面白いこと請け合いですので、お楽しみに。