CLOTH ROAD 9
- 作者: OKAMA,倉田英之
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/09/17
- メディア: コミック
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次なる反抗戦へ向けて議論を重ねるのだが、国力の疲弊した各国の腰は重くなり足並みが揃わず具体的な案へと結びつかない。
そうした最中、カストラートを制圧しかつての師であるトーガと再会したガーメントから全世界へ向けて衝撃の宣言が布告され・・・。
物語が最終章へ突入しようとしている第9巻。
さて、9巻です。
8巻のレビュー時にも言及した通り、やはり次が物語の終焉に向けての最終決戦となる模様。
そこで今回は最後の戦いを迎えるに当たって、いくつかの事項について整理する意味も含めて言及がなされる。
- ガーメントは何をしようとしているのか
- その結果、どういった事態が起こるのか
- そもそもアルジャンヌがあのような姿になった経緯とは
- ガーメントとトーガはどのように出会い、どういった道を歩んできたのか
これらのことが明らかとなる。
つまるところ俗に言う過去編という形式でのストーリー展開だ。
今回はこれが全体の7割ほどを占めている。
そして、そこで登場するのが在りし日の姿のアルジャンヌ。
本編では初登場時から既に服飾と同化した状態であり、どのような立ち居振る舞いをし、その口からはどのいった言葉が発せられたのか。
そういったものを一切知ることができなかったが、この9巻ではそれら全てを知ることができる。
しかしまさか8巻巻末の予告にあったミニスカロリこそがアルジャンヌだったとは・・・。
新キャラかと思ったら違うじゃん。
今の姿からは到底想像できない。
何故こんないたいけな少女があのように過酷な運命を背負うことに?と思うのは当然だ。
そしてその当然の疑問に答える形で物語は進むが・・・。
結果としては、ガーメントを危険因子として直感的に忌避していたアルジャンヌとガーメントの直接の接触が描かれることはなかった。
そうなる以前、ガーメントが人体をシステムをコントロールするデバイスにしちゃえばいいんじゃね?という狂気の提案をしたところで過去編は終了。
彼曰く「妻」であるというアルジャンヌと彼の関係の真相も判らずじまい。
勝手にガーメントがそう呼んでいるだけという可能性も否定できないままとなってしまっている。
とそういったわけで、過去編に関しては全てが明らかになったようでいて、実は描写されていない箇所もあり、想像に任せられている余地もある。
その他、現在の時系列ではガーメントが選民思想とも言うべき発想を展開。
もはやこの手の「“優れた人間(=天才)による世界の再構築”を企てる狂人を阻止すべく“普通”の人達が奮起する」というテーマは、もはや倉田さん(原作担当)のお家芸か。
R.O.D(TV)やガンソードなどのアニメをご存知ならピンとくるかと思う。
次巻は最終決戦開幕といった展開になる模様。
尚、発売時期は言明されていない。