マルドゥック・スクランブル 3
- 作者: 大今良時,冲方丁
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/15
- メディア: コミック
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それがか弱き少女であったのなら尚更のこと。
バロットの初めての戦いは、ボイルドが差し向けた刺客ではなく自分自身との戦いだった。
少女はいま、乗り越えるべき最初の試練を迎える。
注目の第3巻。
さて、劇場版公開にあわせて矢継ぎ早に2・3巻と刊行されたわけだが、どうだろうか、若干クオリティが落ちたように思える場面がある。
しかしそれは3巻を通して全体に渡っているわけではなく、ごく一部でのこと。
要所要所では物理法則や人体の常識といった諸々を無視しまくった原作の奇抜な銃撃戦をよく表現できている。
場面によってはこれまで以上のクオリティだと思わせるような渾身のシーンもある。
これであとはバロットの作画がより一層安定すれば文句なし。
以下、3巻の概要。
前回ウフコックと手を取り合い、戦うことを決意したバロット。
そんな彼女の元にボイルドが雇った猟奇集団が迫り来るのだが、ウフコックの運用を身に着けた彼女にとってあの程度の連中は何の脅威にもなりえず、これを軽く撃退することに成功する。
しかし、これまで虐げられる側であった彼女は、初めて自分が他者を虐げることのできる側になったことに行き過ぎた高揚を覚えてしまい・・・。
というのが今回の流れ。
原作者の冲方さんをご存知の方ならよくお分かりのことだろう。
この作者が主人公に順調な滑り出しなどをさせるわけがない。
それはもう、のっけからきつい試練の連続がデフォなのである。
負けるなバロット、頑張れウフコック。
キミたちになら、できるさ。
とまあ、そんなわけで第一の試練を迎えた彼女たち。
これをどう乗り越え、次には何が待ち受けているのか。
是非楽しみにして下さい。