朝霧の巫女 7
- 作者: 宇河弘樹
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2011/01/31
- メディア: コミック
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忠尋たちからすれば一見して裏切りにも思える菊理の行動であったが、もとをただせば彼女はあちら側の者であり、これは避けられぬ運命でもあった。
攫われた柚子を取り戻すためには、立ち止まることの許されない忠尋だが・・・。
雑誌掲載から5年半の月日を経て、一から書き直したと言っても過言ではない修正を加えた渾身の単行本化、1年ぶりの第7巻。
というわけで柚子が拉致されたのが最大の変事といえる7巻。
前半を乱裁と菊理の原点を辿る過去編で構成している。
こちらは登場人物がこれまで本編には出ていない者たちで構成されている点。
時代背景が南北朝時代(鎌倉時代の後、室町の前までの期間)まで遡っているため日常あまり接することがない独特の言葉遣い・漢字の応酬となっている点。
そも、科白が多い。
などの要素が重なり、人によっては読み難い印象を受けるかも知れない。
反面、そこで描かれる人間模様や機微、普段以上に筆ペンを大胆に活用した画風は見応えがあると言える。
そして後半では舞台を現代に戻し、柚子が攫われるまでと攫われた日の翌日を描いてる。
こちらも一部にコミカルな場面を挟んではいるものの全体的に重苦しい雰囲気が支配しており、物語が佳境に入っていることと相まってシリアスな展開が続く。
鬱屈した雰囲気を明るく打ち晴らす展開がこの先に期待されるところである。
でもって次はいつ発売になるかわからない8巻では、俺の・・・俺のこまさんがぁぁぁぁぁ!!!
はっきり言って、柚子はヒロインでもあることから安否に関してはほとんど心配していないので、どうでもいいとまでは言わなくともさほど関心がないですが、こまさんはそうもいきません。
下手をしなくても物語がすべてにけじめをつける時には舞台に居ない人となっていそうな人だけに、7巻最後の前フリはちょっと気が気でないものになっています。