灼眼のシャナ 9

灼眼のシャナ 9 (電撃コミックス)

灼眼のシャナ 9 (電撃コミックス)

三人もの“徒”が来襲した御崎市。
彼らの狙いはミステスの悠二でもなくトーチを喰らうことでもなく、シャナの持つ大太刀“贄殿遮那”。
これに対抗すべく、悠二はシャナと分かれて彼らが張り巡らせた大規模な仕掛けを解くべく単独行動に出たのだが・・・。
愛染編中盤となる第9巻。


上述の通り今回は愛染編の中盤に該当し、戦闘描写が大半を占める構成。
故に半分以上はシャナと兄妹のやり取りが占めているが、不甲斐なくも逃げおおせてきたマージョリーも反攻の機会を窺うべく行動中。
そして、その最中偶然にも動くトーチたる悠二を発見し・・・という流れ。


今回は順当に原作をなぞっている側面が強く、展開も戦いが中心なためこれといって特筆すべき点は見当たらない。
逆に気になった点としては、このところ男性陣の実年齢と外見が乖離し始めていることか。
田中は元々がっちりして老け気味とも言えなくない人物なので不思議ではないが、佐藤と悠二はかなり譲歩したとしても高一というには無理がある印象になってきている。

その割に設定上の外見年齢はそう離れていないはずのソラトはきちんと幼く描かれている。
故に悠二たちとのギャップが強く感じられてしまう。
もう少し両者の外見的年齢を寄せるべきかな。

そして、外見がそんなであるにも関わらず、この巻では佐藤がマージョリーに勝手な幻想を抱いてすがる様子が描かれる場面を迎えているためやや違和感がある。
というか、単純に佐藤の鬱陶しさが5割増しで増強されたような感じ。
これが意図してのものなら良いのだが、そうでないのなら今後の男性陣の作画には一考の余地があるかも知れない。


次巻は今回で窮地を脱したシャナに対し、今度は悠二が危機に陥る展開。
及び愛染編の完結が予想される。