フラクタル EPISODE3・4「グラニッツの村」「出発」

しばらく見ないうちに面白くなっていたというか、これから盛り上がりそうな兆しが見えてきたオリジナルアニメーション。
正直2話まで見た時点ではもうここで切ってしまおうかと考えたものですが、どんな作品も3話までは付き合ってから考えるというのをモットーにしていまして、今回はきちんとそれを履行したことが幸いしました。
オリアニ好きとしては、やはりできるだけ多くの作品に目を通すべきですし・・・。
さて、つまらない前置きが長くなりましたが、とりわけ3話が好印象だったここ2週間分のフラクタルの第3話・第4話について。


まず3話。
ここでようやく道が開けたというか、世界が広がったと強く実感できる内容でした。
バッタバッタと人が死んでいく場面にしてもそんな展開もある作品だとは考えていなかっただけに、インパクトがありました。
両の目かっぴらいてよぉく見やがれ、これが世界の真実だ。
おまえの目はきちんと真実を捉えられているか?
ぬるま湯に浸からされ、曇ってやいないか?

とでも言うようなスンダの問題提起が印象的で、ここから一気に作品が輪郭を帯びたように思えました。
3話は実に面白かった。


反面、それと比べると1・2話ほどではないにしても4話が少しガッカリ。
どうやら個人的には、フリュネを中心に物事が展開するとつまらなく感じるようです。
というのも、スンダら一派が「やろうとしていること」が明確になっているのに対し、フリュネは何をしようとしているのかが分からず、考えや行動にまったくついていけないため感情移入しにくい。


これはクレインにも似たようなことが言えて、彼はいまのところただ振り回されているだけで、何もせず何かをしようという意志も見えません。
あれだけの世界の裏側・真実を目の当たりにしても未だ現状の生活・システムに甘んじていようとしています。
スンダらと一緒にレジスタンスに加わればいいという問題でもありませんが、いい加減何かしら行動を起こすか意志を示してくれよ、と。
この際、「運命的一目惚れ!」とかのたまってフリュネを連れて無謀な逃避行でもしてくれた方がまだマシです。
序盤の展開が一部似通っているラピュタとの最大の劣位点はこの辺りにあるかも知れません。
なんだかんだ言ってパズーの行動力は半端ないですから。


そういったわけで、主人公とヒロインがこれでは本格的な盛り上がりを見せるにはまだ重要なピースがひとつ足りない感じ。
現状ではスンダたちを中心としたストーリー展開の方が面白く、盛り上がりにも富んでいて楽しめます。
いまは彼らが担っている立ち位置に、早いところクレインが立てるようになってくれるとムラがなく安定して楽しめる展開になると思うのですが・・・。


がんばれクレイン。
いつまでも状況に流されているだけというのは主人公として許されないぞ。
5話以降がもっと面白くなるかどうかの命運はおまえ次第だ。