GOSICK 6

GOSICK 6 (ドラゴンコミックスエイジ あ 3-1-6)

GOSICK 6 (ドラゴンコミックスエイジ あ 3-1-6)

アニメ化、そして実に4年ぶりとなる原作の新刊発売。
角川の戦略とはいえ、否が応にも機運高まるGOSICKシリーズ漫画版最新刊。
ミルドレッドの目的は?
そして、ヴィクトリカの母が汚名を着せられた事件の真相は?
彼女はその謎を解明し、母の汚名を晴らすことができるのか。
原作でもとりわけ評価の高い第2巻「灰色狼編」の物語が完結する。


待ちに待った第6巻。
連載開始当初はやや不安のあった作画もすっかり安定・定着し、原作絵師の武田さんともアニメともまた違った世界を生み出している。
そして何よりヴィクトリカと一弥の絆が深まっていく過程を描くに当たって、ともすればこの画風こそが最良なのではないかとすら思える愛くるしさが良い。
この6巻では特にその長所が生きたように感じられてならない。


というわけで作画に満足のこの6巻だが、内容においても満足度は高い。
駆け足過ぎず、要所要所の原作の魅力を取りこぼさない構成にもしてもそうであるし、原作が元々持つ本エピソードの質も然り。
切なさに一時胸が苦しくなる思いがしながらも二人の仲睦まじさを見て暖かい気分になれるのは灰色狼編の最大の魅力だろう。


というか、ぶっちゃけてニヤニヤするのにこの作画とこのエピソードの組み合わせは抜群というか、卑怯なくらいだと思う。
アニメでしか本作を知らない人こそ、是非漫画版を読んで終始ニヤニヤしてしまう自分に「気持ち悪っ」とセルフツッコミを入れて頂きたい。
(そこから更に原作へとステップアップするも良し)
漫画(と原作)は一弥も非常に好感の持てる人物に仕上がっているので、実に楽しい気分になれること請け合いである。