ヒャッコ 6

ヒャッコ ? (フレックスコミックス)

ヒャッコ ? (フレックスコミックス)

半年超の休載期間とひと月の発売延期が相まって久方ぶりとなる新刊。
今回は一風変わった展開・雰囲気だった前巻からガラリと雰囲気を変え、いつものお気楽学園コメディが全開。
そして、体育祭&学園祭という高校生活二大イベントで盛り立てる第6巻。


さて、丁度前巻がチャレンジングな内容で賛否分かれたこともあり、そこから相当期間が空いての発売は注目度の低下が著しそうなヒャッコ

賛否の否側の人が興味を失う→期間が空く→作品の存在自体を忘れるといったケースなどが考えられるため

が、そこへきてのこの6巻。
クオリティ及び「ヒャッコらしさ」はきわめて高く、再評価の機運が高まりそうである。


まずほとんどきれいに半分と言って良いのだが、前半が体育祭のお話。
こちらは準備期間などはなく、いきなり当日の風景が描かれ、後日談もなく嵐が通り過ぎたかのような展開でまとめられている。


何より特筆すべきは、その体育祭の種目。
なんとエアガンを駆使してのサバイバルゲーム、通称サバゲー・・・のみ。
サバゲーも種目の一部にある体育祭ですらおそよあり得ない話であるが、よもやの「それだけ」という体育祭。
まさに常識破りも良いところであるが、現実では決してあり得ないことを好きにやってこその学園コメディ。
この長所を巧く活かし、実におもしろい寸劇が繰り広げられている。
ベタだが、だからこその見事なオチもついており、文句なく笑えて楽しい内容となっている。


そして、後半は来るべき文化祭へ向けての準備のお話。
はじめにクラスとしての出し物は何にするかという侃々諤々・・・というより各自好き勝手にわいわいがやがやの議論。
次に一致団結しての準備。
そうして次巻での開催当日の話へと引き継がれる。


こちらは体育祭とは異なって現実味のある部分が多く、また実際にこんな高校生活があったら良いなぁと思えるあたたかい雰囲気となっている。
と同時に、歩巳の中学校生活の一幕(やや暗い過去)を振り返りつつ彼女の旧友───木の実(いまは別の高校に通っている)が新キャラとして登場。
この友人が学校の友達(新キャラ)を引き連れて上園の文化祭を来訪するというのもまた次巻の楽しみである。
更に更に、この中の二名は木の実と同様上園に知人(従兄弟と妹)が居るという設定になっており、誰の関係者なのか・・・は容易に想像がつくとしても(笑)、どういった絡みが起こるのかがお楽しみ要素と言える。


といったわけで、尖っていたこともあって好みに合う合わないがあったと思われる5巻から一転して、6巻は実に万人が親しめる内容だった。
おそらく7巻も同様の流れになることが予想されるので、5巻で一度見切りをつけてしまった人も是非いま一度読んでみてはいかが。