STAR DRIVER 輝きのタクト 1

STAR DRIVER 輝きのタクト(1) (ヤングガンガンコミックス)

STAR DRIVER 輝きのタクト(1) (ヤングガンガンコミックス)

日本列島の南方に位置する島───南十字島へとやってきた少年タクトは、水難事故で瀕死となった自分を救ってくれた少女ワコと出逢い、彼女に惹かれていく。
しかしワコは、島に眠る巨大ロボット“サイバディ”の封印を守る巫女であり、サイバディの私的利用を目論む組織からその身を狙われる立場にあった・・・。
だが、実はタクトもまた彼らに対抗し得る力を秘めた特別な存在で・・・。
君の銀河は輝いているか?さあ、共に青春を謳歌しようぜ!
日曜夕方5時の枠での放送が2クール目に入り、大詰めを迎えているアニメのコミカライズ第1巻。


というわけで、上述のような展開から始まる青春ロボットバトル物語。
大筋の展開はアニメそのままに、細部では異なる展開を見せている。
ストーリー展開も特段駆け足になることもなく、きちんと物語を追っている。
それどころか、稀にアニメにはなかったシーンや会話までもが織り交ぜられているようだ。
(反面、アニメにはあった会話がないケースもたまにある)
若干説明不足な観も否めないではないが、アニメからしても元々序盤は視聴者おいてきぼりな側面があったためこれは漫画だけの問題ではない。
そもそも個人的には最初から何から何まで説明してくれるスタンスは好みではないため、これは必ずしもマイナス要素とも言い切れない。
そういった点では、旬のうちにサクサク単行本化してしまおうというコミカライズの悪しき例にはあまり当てはまらないかも知れない。
これは嬉しい誤算だ。
アニメ未視聴の人が「まずは漫画から」と手に取るには十分な作りだと言える。


また、上述の通り一部にアニメとは異なる展開が含まれており、登場人物が思わぬ言動を見せることがある。
そのことが既にアニメでこの作品を知る者にも新鮮な楽しみを与えてくれている。
アニメではどんな状況下でも気丈であったワコが、漫画ではきゃあだのいやぁだの騒ぎすぎなのが気にならなくもないが・・・。


作画の方は女の子がまつげピンピンで瞳うるうるな点がやや気にならなくもないが、全体的には及第点と言える。
本作が商業デビュー作でもあるようなので、向上・発展にも期待したい。
そのほか、あとがきやおまけページ、カバー下のお遊びなどは何もない。
あって当たり前というつもりはないが、少し寂しい。
折角の素材なので、もう少しいじっても良かったのではないだろうか。


尚、この第1巻ではアニメ第3話の途中までが展開されている。
逆のケースで漫画がアニメ化された場合の一般的なペースを考えても、現在の1巻辺り2話半くらいのペースが続くなら今後も十分期待できそうだ。