DARKER THAN BLACK−漆黒の花− 4

ハーヴェストが望み、成そうとしている目的とは。
黒はその真実に辿り着き、彼を阻止することができるのか。
DTB“唯一の”公式コミカライズ、堂々ここに完結。


といったわけで、アニメのDTBを補完しつつその世界観をいっそう拡大させてくれた本作もついにこの4巻を最後に終わりとなってしまった。
本作はアニメ監督の指示のもと描かれたものではなく岡村天斎とはまったく別の人間───岩原裕二が独自に生み出した作品である。
故にこれは当然のことだとも言えるのだが、あとがきで岡村監督も言っているように、振り返ってみると『漆黒の花』ではテイストも結末へのアプローチもアニメのDTBとは趣を異にする一味違ったDTBの世界が広がっていたように思う。


とりわけ、戦って打ち勝つことで決着をつけるという至ってシンプルな構図での結末を迎えたのは本作最大の特色と言って良い。
そしてそういった道筋を辿ったために、本作のアクションはとにかくスケールが大きく派手なものに仕上がっている。
これは、動かせば動かすほどスタッフの仕事が激増するアニメーションが直面する現実の壁であり、漫画でなければ表現できなかった世界であろう。
また、アニメでもなかなか得られることのできなかった「南米の真実」の一端が得られ、同時に外伝及び『流星の双子』へと通じる数々のピースも実に興味深かった。


そして本作をもってしてDTBシリーズは幕を閉じるようなのだが、『流星の双子』のラストが良くも悪くもああいったものであっただけに、シリーズの最後を飾るのが本作となったのは幸運だったかも知れない。
まあ、より正直なところを言えば、まだこれからもっとDTBの世界を見てみたいのだが・・・。